ミャンマー連邦共和国向け円借款契約の調印

-電力の安定供給、急増する通信需要への対応に貢献-

2015年3月26日

調印式の様子

国際協力機構(JICA)は、3月26日、ミャンマー連邦共和国の首都ネピドーにて同国政府との間で、総額351億7,800万円(計2件)を限度とする円借款貸付契約に調印しました。

2011年3月に発足したテイン・セイン政権も2015年3月より5年目を迎え、民主化、法の支配の強化、国民和解に向けた取り組みに加え、経済改革をさらに加速させています。このようなミャンマー政府の努力に対し、我が国は2013年、25年ぶりに円借款の供与を再開、これまで8案件の円借款を供与し、引き続きミャンマーの改革を後押しし、持続的な発展を支援しています。

近年、ミャンマーは経済制裁解除や投資・貿易促進の影響もあり、実質経済成長率は7パーセントを超えて推移しています。しかし、ミャンマーの経済基盤インフラは多くの課題を抱え、持続的な経済成長・貧困削減や更なる投資促進のボトルネックとなっています。

このような状況を踏まえて今回借款契約を調印した2件の円借款事業の特徴は、以下の通りです。

(1) ミャンマーの電力供給における生命線を支援
ミャンマーでは、総設備容量約3,900メガワットのうち約8割が水力発電で、その大半が北部・東部にあります。電力供給地である北部・東部から、ヤンゴンを含む主要な電力需要地の南部へ長距離に亘って電力を送るためには、大容量の送変電設備の建設が必要不可欠です。近年、特に水力発電の出力が増加する雨季は、既存の230キロボルトによる南北基幹送電線の一部区間で送電容量を超過してしまうことから、2013年時点で発電出力を制限している状態です。

今後、経済成長及び電化率向上に伴い、電力需要は年間10%程度で伸び、既存の送電線にかかる負荷も年々大きくなっていく見込みであることから、更なる送電を可能にするため、より電圧の高い500キロボルト基幹送電線および関連する変電所の整備は、喫緊の課題となっています。
「全国基幹送変電設備整備事業フェーズI」では、北部・東部から繋がる送電線に関連する変電設備を2ヵ所新設することで500キロボルトに昇圧して電気を送ることができるようになり、安定的な電力供給に寄与し、ミャンマーの経済発展に貢献します。

(2) 経済成長に伴い急増する通信需要へ対応
ミャンマーでは、長年の経済制裁下における輸入制約及び資金不足により、通信インフラの整備が遅れており、ミャンマーの携帯電話の普及率は12.83%(2013年 国際電気通信連合)と、近隣国のベトナム130.89%、カンボジア133.89%、ラオス68.14%と比べて大変低い水準に留まっています。
また、今後経済成長に伴い通信量は益々急増することから、このままでは更なる通信環境の悪化が予想される状況にあり、通信インフラの改善はミャンマー政府にとって喫緊の課題となっています。

「通信網改善事業」では、ミャンマー主要3都市(ヤンゴン(含むティラワ地域)、ネピドー、マンダレー)間及び一部市内において通信網を改善することにより、増大する通信需要に対応する通信能力の向上を図り、もってミャンマーの経済発展及び国民の生活向上に寄与します。
JICAは今後とも、円借款、技術協力、無償資金協力等の多様なODAスキームを一体的に運用しながら、ミャンマーの抱える諸課題の解決に向け、包括的に取り組んでいきます。

(参考)
借款金額及び条件

案件名 借款金額
(百万円)
金利(%/年) 償還期間
(年)
据置期間
(年)
調達条件
本体 コンサルティング・サービス
(1) 全国基幹送変電設備整備事業フェーズI 24,678 0.01 0.01 40 10 一般アンタイド
(2) 通信網改善事業 10,500 0.01 0.01 40 10 一般アンタイド

(1)全国基幹送変電設備整備事業フェーズI
National Power Transmission Network Development Project Phase I

(事業の目的と概要)
本事業は、マンダレー地域及びバゴー地域に位置する基幹送電線に係る2変電所を整備することにより、需要の高い南部への送電容量の増加、電力供給の信頼度向上を図り、もってミャンマー全体の経済発展及び国民の生活向上に寄与するもの。

(事業実施機関)
電力省ミャンマー電力公社(Ministry of Electric Power、Myanma Electric Power Enterprise:MEPE)
住所:No.27 Building Nay Pyi Taw
TEL:+95-67-410202

(今後の事業実施スケジュール〈予定〉)
(i)事業の完成予定時期:2019年9月(施設供用開始時をもって事業完成)
(ii)コンサルティング・サービス招請状時期:送付済
(iii)本体工事に係る国際競争入札による最初の調達パッケージ入札公示予定:
調達パッケージ名:変電所建設
予定時期:2016年10月

(2)通信網改善事業
Communication Network Improvement Project

(事業の目的と概要)
本事業は、通信網を改善することにより、増大する通信需要に対応する能力の向上を図り、もってミャンマーの経済発展及び国民の生活向上に寄与するもの。

(事業実施機関)
通信・情報技術省 ミャンマー郵電公社(Ministry of Communications and Information Technology, Myanma Posts and Telecommunications: MPT)
住所:Building No2, Nay Pyi Taw
TEL:+ 95-67-407661

(今後の事業実施スケジュール〈予定〉)
(i)事業の完成予定時期:2019年8月(施設供用開始時をもって事業完成)
(ii)コンサルティング・サービス招請状時期:送付済
(iii)本体工事に係る国際競争入札による最初の調達パッケージ入札公示予定:
調達パッケージ名: 通信網改善
予定時期:2016年4月