ミャンマー連邦共和国向け無償資金協力贈与契約の締結

2015年3月31日

国際協力機構(JICA)は、3月27日、ミャンマー連邦共和国で活動する国連機関との間で、総額23億6200万円(計4件)の無償資金協力の贈与契約(Grant Agreement:G/A)を締結しました。

2011年3月に発足したテイン・セイン政権は、民主化・国民和解に向けた動きを積極的に進めており、現在、全国的な停戦・和平合意を実現すべく、政府と少数民族武装勢力との間で全土停戦協定の調印に向けた協議を続けています。

一方で、2012年6月、10月にラカイン州で発生した仏教徒とイスラム教徒のコミュニティ間の衝突に加え、2014年4月にはカチン州で政府と少数民族武装勢力との衝突が起きたことで、不安定な治安状況により新たな国内避難民が発生しています。また、2014年7月には両州を含む山岳地帯で洪水等の自然災害が発生し、生活基盤のインフラや家を失ったことで、更に国内避難民となる事例が増えています。このような紛争や自然災害による不安定な治安・環境によって、地方部に居住する人々の生活は危機にさらされています。加えて、こうした国内避難民は、政府の公共サービスが行き届かないアクセスが困難な地域に居住していたり、依然として地域内で高い緊張状態が続いていることを背景に、国内外からの支援が十分に行き亘っていません。

このようなミャンマーの少数民族地域の抱える問題に取り組むべく、JICAは、国際機関と連携して、少数民族地域で保健医療、教育、食糧、住宅に関する支援を実施します。
今次締結した無償資金協力案件は以下のとおりです。

UNICEFとの署名の様子

(1)少数民族地域における子供に対する緊急支援計画(供与額4.52億円)
The Program for Emergency Assistance to Children in Ethnic Minority Areas

本事業は、国連児童基金(UNICEF)と連携し、カチン州、シャン州北部及びラカイン州において、避難民キャンプの子供や女性(妊婦・授乳中の女性)に対して、保健医療、教育及び保護サービスを提供することにより、健康・暴力のリスクから彼らを保護することを目的とするものです。本事業によって、約10.7万人の子供を含む12.8万人以上の人々に対して、保健医療等のサービスが提供される予定です。

UNHCRとの署名の様子

(2)少数民族地域における避難民緊急支援計画(供与額2.79億円)
The Program for Emergency Assistance to Displaced Persons in Ethnic Minority Areas

本事業は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)と連携し、カチン州、シャン州北部、ラカイン州において、劣悪な状況にある少数民族地域の避難民キャンプの避難民向けシェルターの整備を実施します。また、避難民が必要とする人道支援を的確に把握するために必要な、キャンプの運営・管理に係る指導を実施することで、避難民キャンプ及び同周辺の生活環境の改善や、より効率的・効果的なキャンプの運営を図り、もって避難民の生活向上に寄与するものです。本事業によって、約47万人の人権状況及び生活環境が改善されることが期待されます。

WFPとの署名の様子

(3)少数民族地域における緊急食糧支援計画(供与額10億円)
The Program for Emergency Food Assistance in Ethnic Minority Areas

本事業は,世界食糧計画(WFP)と連携し,カチン州、シャン州北部、ラカイン州において、避難民に対して食糧支援を実施することにより、避難民の食糧・栄養状態の改善を図るものです。それにより、多数の避難民を抱え、開発が遅れている少数民族地域における事態の悪化を防ぎ、国民和解の促進に資することが期待されます。

UNHabitatとの署名の様子

(4)少数民族地域及びヤンゴンにおける貧困層コミュニティ緊急支援計画(供与額6.31億円)
The Program for Emergency Assistance to Poor and Vulnerable Community in Ethnic Minority Areas and Yangon

本事業は、国連人間居住計画(UN-Habitat)と連携し、カチン州及びシャン州では貧困層に対する緊急性の高いコミュニティ・インフラ整備支援(街路、給水施設等)を行うことで、自然災害等で被害を受けた生活環境の復旧と改善を図り、また、ヤンゴン市では、脆弱な資材により建設された住宅により度重なる自然災害に受けている同市の貧困層を対象に、居住環境の改善のための住宅整備支援を行います。