キューバ向け無償資金贈与契約の締結:がん診療サービス向上のための医療機材の整備を支援

2016年9月26日

署名式(入柿JICA理事、ヌニェス外国貿易・投資省次官が同席)

国際協力機構(JICA)は、9月23日、キューバ共和国政府との間で「主要病院における医療サービス向上のための医療機材整備計画」を対象として12億7,300万円を限度とする無償資金協力の贈与契約(Grant Agreement: G/A)を締結しました。

本事業は、9月22日、日本の首相として初めてキューバを訪れた安倍晋三首相とラウル・カストロ国家評議会議長との首脳会談において約束された、日本によるキューバの保健医療分野への協力を具現化するものであり、同国向けの本格的な無償資金協力事業としての、第一号案件となります。

本事業は、同国内の主要な医療施設において、医用画像診断システムのデジタル化に必要な機材、病理検査機材、低侵襲治療(患者の身体へ負担を減らした治療)に必要な機材を整備することにより、がんの診断及び低侵襲治療の強化を図るものです。

同国では、2007年以降、がんが死亡原因の1位(※キューバ保健省:2014年)となっていますが、外貨不足やアメリカの経済制裁等により医療機材の恒常的な不足や老朽化が生じており、適切な対応ができていません。そのため、X線撮影の検査結果が出るまでに数日間を要する、手術中に病変部を採取して行う術中迅速病理診断を含めた病理診断の実施が困難、更には患者の病態に応じた負担の少ない適切な内視鏡下手術が実施できない等の課題を抱えています。また、地域格差も大きく、貧困層の多い東部地域では、がん診療サービスを提供できる診療環境が整っておらず、他の地域への通院・紹介を余儀なくされています。このような状況により、治療による患者への身体的・精神的負担や入院・治療に伴う医療費の増大が慢性化し、各地域でのがんの早期診断・治療に必要な医療機材の整備は喫緊の課題となっています。

本事業により、住民の医療サービスへのアクセス改善及び診断・治療に係る時間の短縮等が達成され、患者への負担の軽減に貢献することが期待されます。

なお、JICAは、本事業に加え、技術協力「医療機材保守管理 ・がん早期診断能力強化プロジェクト」の合意文書(Record of Discussions: R/D)の署名を9月20日に行いました。無償資金協力に加え、医療機材保守管理・がん早期診断能力の強化を図る技術協力を組み合わせて実施することで、同国のがん診療サービスの拡充と質の向上を包括的に支援しています。

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