サブサハラ・アフリカ地域のオフグリッド太陽光事業への投資契約に調印:貧困層の電力サービスへのアクセスをより身近に

2016年10月20日

調印式の様子

国際協力機構(JICA)は、10月19日、株式会社Digital Grid(以下「DG社」)との間で、サブサハラ・アフリカ地域「オフグリッド太陽光事業」を対象とする投資契約に調印しました。本件は、2012年10月に再開したJICAの海外投融資業務において、初めてサブサハラ・アフリカで実施される事業になります。

DG社が実施するオフグリッド太陽光事業は、サブサハラ・アフリカにおいて、未電化地域の村落にあるキオスク(小売店)に太陽光パネルを設置し、キオスクに来店するユーザー(BOP層※)に対して、LEDランタンの充電・レンタル、及び携帯電話の充電サービスを行うものです。JICAはDG社に対する3億円の出資を通じて、同社のタンザニアでの事業の拡大を支援します。

タンザニアでは、電力アクセスが大きな課題となっています。特に地方部の電化率は4%に満たず、サブサハラ・アフリカ平均の17%を大きく下回ります。電力にアクセスできない世帯は、料理用の木炭・薪や、照明用の灯油ランプ等、伝統的な一次エネルギーに依存しており、煙による健康被害や、温室効果ガスの排出が問題となっています。また、物流網の未発達により、地方部では灯油価格が高く、灯油ランプの使用はBOP層の家計にとって負担となっています。

本事業は、BOP層に対して、灯油ランプより明るく、安全で、安価なLEDランタンのレンタルサービスを提供するものです。本事業により、小売店の夜間営業や、新たなビジネス機会の創出、子供の教育時間の増加、灯油ランプを代替することによる家計支出の抑制、健康状況の改善、温室効果ガスの削減等の効果が見込まれます。また、レンタルしたLEDランタンに携帯電話を接続することで、携帯電話を充電することも可能となります。モバイルマネーといった送金手段等にも活用されている携帯電話は、BOP層にとって重要な生活インフラであり、BOP層の生活を下支えすることにもつながります。

DG社の技術とビジネスモデルは、貧困層の居住地域にあるキオスクが提供するLEDランタンの充電・レンタルサービスに対し、DG社が自社開発のハードウェアとソフトウェアによりキオスクでの電力使用状況をリアルタイムに遠隔制御・管理することで、モバイルマネーを使用して電力利用料を徴収するというものです。同社は、電気があるからできる新しい体験を提供することで「未電化地域の人々の情熱に火をつける」ことをミッションに掲げており、スワヒリ語で「火を灯す」を意味するwashaという単語から、本事業のサービスを「WASSHA(ワッシャ)」と名付けました。

このキオスクを活用した「Business to Business (B2B)モデル」により、DG社はタンザニア全土へのサービス拡大を図っているところで、今般のJICAによる出資を通じて本ビジネスモデルの拡大とBOP層の電力サービスへの更なるアクセスの向上が期待されます。

日本政府は第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)において「ナイロビ宣言」を発表し、民間投資、起業、イノベーション、官民連携、資金アクセスの増加等、民間セクターの役割強化に取り組むとしています。また、2015年9月に国連加盟国が採択した「持続可能な開発のための2030アジェンダ」における開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)でも、2030年までに、安価かつ信頼できる現代的エネルギーサービスへの普遍的アクセスを確保することが掲げられています。本事業はこれら政策にも合致し、同目標の実現に寄与するものです。

※BOP層とは、一般に年間所得が購買力平価(PPP)ベースで3,000ドル以下の開発途上国の低所得階層を意味します。BOPビジネスとは、このBOP層を対象に、製品・サービスなどを購入可能な価格帯、販売携帯で提供する持続可能なビジネスです。

■株式会社Digital Gridについて
株式会社 Digital Gridは、2013年11月に設立された企業。再生可能エネルギーの「量り売り」サービス「WASSHA(ワッシャ)」をサブサハラ・アフリカ地域で展開。

本社住所: 東京都台東区東上野3-15-12 上野野本ビル3階

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