ヨルダン向け円借款契約の調印:シリア難民初め、多くの難民を受け入れるヨルダンの改革を支援

2016年12月22日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、12月21日、ヨルダン・ハシェミット王国の首都アンマンにて、ヨルダン政府との間で、「金融セクター、ビジネス環境及び公的サービス改革開発政策借款」を対象として、300億円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。

ヨルダンは、パレスチナ難民や、イラク難民に加えて、隣国シリアでの紛争から逃れてきたヨルダン人口の1割程となる約65万人(国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)登録)のシリア難民を受け入れています。この影響も受け、ヨルダンの人口は、直近の4年間で約1.5倍へと増加しており、同国の社会・経済、政府の財政に大きな影響を与えています。特に、ヨルダンはもともと水資源が極端に少なく、エネルギー源となる天然資源にも乏しいため、政府は効率的な水道事業や電力事業等を推進してきました。しかしながら、難民の増加により水・電力等の公共サービスの提供対象者が増加したこと等により、ヨルダンの財政負担は急激に増加しており、国内全体に広くこれらの公的サービスを提供することが困難な状況になりつつあります。また、周辺国の騒乱等の影響も受け、経済は停滞していますが、金融セクターやビジネス環境の改善に取り組み、ドナーからの支援に頼らない自立的な経済発展を目指すことも、重要な課題となっています。

このような状況のもと、本事業では、ヨルダン政府による「金融・ビジネス環境」、「公的サービス分野」の二つの分野における改革を支援します。

具体的には、金融・ビジネス環境分野において、債券流通市場の整備、企業の信用格付制度の導入、産業育成政策の明確化を目指します。

また、公的サービス分野では、エネルギー価格に連動した電力料金システムの導入と同時にコスト削減につながる再生可能エネルギーの更なる活用により、公的サービス分野の財務持続性・効率性を改善することを目指します。

このような、マクロな視点に立った長期的な改革を支援するとともに、短期的には、多くの難民受け入れや周辺国騒乱の影響で増加しているヨルダンの財政負担の軽減に貢献し、同国の難民受け入れ・公的サービス供給の維持を支援します。

JICAはこれまで、ヨルダン政府の財務管理能力向上のための専門家派遣や、債務管理能力向上のための本邦研修、資金調達方法の多様化を目指したスクーク(イスラム金融債)発行のための技術支援を実施しています。また、公的サービス分野においても、電力公社への専門家派遣や電力マスタープランの作成支援、また上水道インフラ整備の支援も実施しています。

(参考)
1.借款金額及び条件

案件名 借款金額
(百万円)
金利(%/年) 償還期間
(年)
据置期間
(年)
調達条件
本体 コンサルティング・サービス
金融セクター、ビジネス環境及び公的サービス改革開発政策借款 30,000 円LIBOR
+20bp
- 30 10 一般アンタイド

2.事業実施機関
計画・国際協力省(Ministry of Planning and International Cooperation)
住所:P.O. Box 555, Amman 11118, Jordan

3.今後の事業実施スケジュール(予定)
(1)事業の完成予定時期: 2017年12月(貸付完了時をもって事業完成)
(2)コンサルティング・サービス:本事業においてはコンサルタント雇用を予定していません。
(3)本体工事に係る国際競争入札による最初の調達パッケージの入札公示:本事業においては、国際競争入札を伴う工事は想定されていません。

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