フィリピン向け円借款契約の調印:農業分野の金融アクセス改善支援により雇用機会の創出と平和の定着に貢献

2017年1月13日

円借款貸付契約の署名・交換の様子(フィリピン大統領府提供)

国際協力機構(JICA)は、1月12日、フィリピン共和国の首都マニラにてフィリピン土地銀行(Land Bank of the Philippines: LBP)との間で「アグリビジネス振興・平和構築・経済成長促進事業」を対象として、49億2,800万円を限度とする円借款貸付契約に調印しました。

本事業は、ミンダナオ島西部を中心とするムスリム・ミンダナオ自治地域及び周辺地域において、農業関連企業や農業協同組合等に対して設備投資・運転資金等に必要な資金を提供し、金融アクセスの改善や経済活動の活性化を通じた雇用創出、生計向上に資する活動を促進することで、同地域の平和の定着に寄与するものです。本件にかかる貸付資金は、LBPやLBPの仲介金融機関を通じて、農業関連企業や農業協同組合等に供与されます。

ミンダナオ島の南西部は、40年以上に及んだ紛争の影響もあり、基礎的社会サービスやインフラの不足などの課題を抱えており、貧困率が50%以上にのぼるなど、フィリピン国内でも最も貧しい地域の一つです。同地域での雇用機会の創出や復興開発を促進するため、2014年のフィリピン政府とモロ・イスラム解放戦線(MILF)による包括和平合意後、ミンダナオが優位性を有する農業生産物を活かしたアグロインダストリーの振興が進められています。本事業対象地域および周辺地域では、農業関連の民間企業等がプランテーション事業を運営して雇用を生み出していますが、こうした大規模企業のみならず中小の農業関連企業や組合による投資を更に呼び込むためには、設備投資等を行うための長期資金へのアクセスを改善することが必要となっています。

JICAは、本円借款事業と並行して、同事業の実施機関であるLBPや農業協同組合等の関係機関に対して、人材育成や技術支援を実施します。同支援を通じて、更なる金融アクセス向上や農産物の生産・物流・販売等のバリューチェーン強化などを促進し、円借款事業との相乗効果の創出を目指します。

JICAは、今後もミンダナオ地域の平和の定着実現のため、ムスリム・ミンダナオ新自治政府の体制や制度づくり、人材の育成、地域開発計画の策定・実施などを、包括的に支援していきます。

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(参考)
1.借款金額及び条件

案件名 借款金額
(百万円)
金利(%/年) 償還期間
(年)
据置期間
(年)
調達条件
本体 コンサルティング・サービス
アグリビジネス振興・平和構築・経済成長促進事業 4,928 1.4 25 7 一般アンタイド

2.事業実施機関
フィリピン土地銀行(Land Bank of the Philippines: LBP)
住所: LANDBANK Plaza., 1598 M.H. del Pilar corner Dr. J. Quintos Sts., Malate, Manila, Philippines
TEL:+63-2-522-0000(2651)、FAX:+63-2-528-8523

3.今後の事業実施スケジュール(予定)
(1) 事業の完成予定時期:2022年1月(LBPによる全てのサブローンの貸付実行完了をもって事業完成とする。)
(2) 本事業においては、コンサルタントの雇用予定はありません。
(3) 本事業では、本体工事に係る入札はありませんが、LBPや仲介金融機関により供与されるサブローン対象事業において逐次事業実施のための調達が行われる見込みです。