ガーナ向け無償資金贈与契約の締結:道路インフラ整備や保健セクター財政支援により経済成長や保健サービス拡充に向けた努力を後押し

2017年4月3日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、3月31日、ガーナの首都アクラにて、ガーナ共和国政府との間で、計2件、総額64億5,900万円を限度とする無償資金協力の贈与契約(Grant Agreement: G/A)を締結しました。

これらの協力は、ガーナが進める幹線道路整備を支援するための国際回廊間の物流円滑化を目的とした道路インフラ整備と、基礎的保健サービス拡充に向けた財政支援を実施するものです。

今回贈与契約を締結した無償資金協力案件は以下の2件です。
(1)ガーナ国際回廊改善計画(62億5,900万円)
(2)貧困削減戦略計画(保健セクター)(2億円)

詳細は以下のとおりです。
(1)ガーナ国際回廊改善計画(供与限度額62.59億円)
The Programme for Improvement of Ghanaian International Corridors

(a)事業の目的と概要
本事業は、ガーナ国内最大の商業港を持ちアクラ経済圏を構成する中心都市であるテマ市において、テマ交差点の立体化を図るとともに、中部州における国道8 号線改修のための設計を行うものです。これにより、円滑かつ安全な道路交通の確保を図り、国際回廊(ラゴス-アビジャン回廊、東部回廊等)間の物流円滑化に寄与するものです。

(b)事業の背景と必要性
首都アクラ及び国内最大の商業港であるテマ港を中心とするアクラ経済圏は、ガーナ国内にある三つの経済圏の一つであり、本事業の対象であるテマ交差点は、同経済圏内にあるアクラとテマ港からの交通が交わるラウンドアバウト式の交差点(環状式交差点)です。同交差点は、西アフリカ海岸都市を結ぶ「ラゴス‐アビジャン回廊」及びガーナとブルキナファソを結ぶ「東部回廊」の二つの国際回廊の結節点でもあります。そのため、交通量が非常に多く、特に朝・夕は通勤交通等による渋滞が発生し、円滑な人の移動や物流の阻害要因となっています。

また、本事業のもう一つの対象である国道8号線は、ガーナ第二の都市であるクマシと海岸部のヤモランサを結ぶ全長約170km の幹線道路であり、ガーナの首都アクラとブルキナファソの首都ワガドゥグを結ぶ「中央回廊」を補完する機能を果たしています。同国道は、1993 年に円借款が供与された「産業道路修復事業」により整備されたのち、北部60km 区間については無償資金協力「国道8 号線改修計画」(2009 年)により補修が行われましたが、南部に位置するアシンプラソとアシンフォス間(約31km)などでも舗装の損傷が著しく、円滑で安全な交通に支障をきたしているため、道路改修・拡幅が早急に必要となっています。

【案件基礎情報】
国名 ガーナ共和国
案件名 ガーナ国際回廊改善計画
実施予定期間 工期36ヵ月(詳細設計・入札期間含む)
実施機関 ガーナ道路公団(Ghana Highway Authority: GHA)
対象地域・施設 グレーターアクラ州テマ市、中部州
具体的事業内容(予定) ・テマ交差点立体化
(1)施設整備/機材調達
・東西区間の改良(改良総延長約2,100m)、
 南北区間の改良(改良総延長約1,900m)
・付帯施設の整備:サービス道路、信号制御式平面交差点、照明及び排水施設等
(2)コンサルティング・サービス
詳細設計、施工監理

・国道8号線
(1)施設整備/機材調達
  該当無し
(2)コンサルティング・サービス
国道8 号線アシンフォス-アシンプラソ間の改修及びアシンアンドエに位置するカルバート橋の架け替えにかかる詳細設計

(2)貧困削減戦略計画(保健セクター)(供与限度額2億円)
The Programme for Poverty Reduction Strategy (Health Sector)

(a)事業の目的と概要
本事業は、ガーナ政府の掲げる政策目標「医療アクセスの公平化」に向けた主要政策である地域保健師による基本的保健医療計画・サービス(Community-based Health Planning and Services:CHPS)政策の推進に資する財政支援を行うことにより、基礎的保健サービスの質とアクセスの向上を図るものです。

(b)事業の背景と必要性
ガーナでは、人口動態や社会経済構造の変化に伴い、疾病構造も感染症等に加えて生活習慣病や事故による傷病が増加するなど変化しており、保健セクターへの支出が増加傾向にありますが、国家予算に占める保健セクターの予算配分比率は約11%(2014年)であり、アフリカ連合(AU)により提唱された目標値(Abuja Target)の15%を下回っています。また、ガーナ政府は、医療へのアクセスの公平化を実現するため、保健所を拠点に地域保健師によって住民訪問、妊産婦健診、家族計画の推進、住民の初期診断等の基礎的保健サービスを提供することを目指すCHPS政策の実施を進めており、同実施にも相応の財源が必要となっています。一方で、ドナーの支援額の減少やマクロ経済の悪化などにより財政は逼迫しており、医療施設や医薬品へのアクセスが確保されず、保健サービスの供給も不足しています。特に貧困層の割合の高い北部の3州では、提供可能な基礎的保健サービスが限られ、母子保健関連の指標も達成が厳しい現状であることから、CHPSの確実な実施が求められており、同政策実施のための資金確保が喫緊の課題となっています。

【案件基礎情報】
国名 ガーナ共和国
案件名 貧困削減戦略計画(保健セクター)
実施予定期間 2017年4月〜2017年12月
実施機関 保健省
対象地域・施設 ガーナ国全土
具体的事業内容(予定) 基礎的保健サービスへのアクセスと質の改善に資する財政支援