ジャマイカ向け無償資金贈与契約の締結:災害時の緊急通信体制の改善により災害対応能力の強化に貢献

2017年4月7日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、4月6日、ジャマイカの首都キングストンにて、同国政府との間で、「緊急通信体制改善計画」を対象として13億9,900万円を限度とする無償資金協力の贈与契約(Grant Agreement: G/A)を締結しました。

本事業は、ジャマイカ全土において、防災デジタル無線通信システムを整備することにより、防災関係機関及び一般市民に対する情報伝達の迅速化・安定化を図り、同国の防災や気候変動対策に寄与するものです。

同国は、カリブ海に位置する熱帯海洋性気候の島です。大西洋のハリケーンベルトに位置していることから、大規模なハリケーン、熱帯性暴風雨による洪水、土砂災害が多発しています。こうした災害による人命及びインフラへの甚大な被害も発生しており、近年では2010年の熱帯性暴風雨「ニコル」、2012年のハリケーン「サンディ」等により、多大な経済的損失を被っています。このような状況に対し、同国政府は、開発目標のひとつに災害リスクの軽減と気候変動への適応を掲げ、「災害対応能力の強化」を重要項目に位置付けています。

その政策のもと、災害管理の監督・調整機関である地方政府・コミュニティ開発省災害準備・緊急管理局が、他の関係機関と連携し、災害対策連絡体制の運営、防災関係組織への予警報発信等を実施しています。

しかしながら、既存の防災無線通信網は通信容量、電波の届く範囲が不十分であるため活用されておらず、連絡は主にメールや携帯電話等の限られた伝達手段に依存しています。そのため、過去の災害発生時においては、警報伝達の遅れや被害状況の把握・対応の遅れが問題となっています。

本事業では、通信の迅速化・安定化を図るとともに、関係機関の情報交換・連携の推進による減災効果が期待されます。また、同国の災害対応能力が強化され、災害発生時における人的被害と経済的被害の軽減に向けた環境が整備されることを目指します。JICAは、「カリブ地域防災管理」(2015年〜2017年)において、ジャマイカを拠点とした広域技術協力を行っており、同協力の中でも必要に応じ本事業の実施機関への提言を行うなど包括的な支援を実施していきます。

【案件基礎情報】
国名 ジャマイカ
案件名 緊急通信体制改善計画(The Project for Improvement of Emergency Communication System)
実施予定期間 工期24ヵ月(詳細設計・入札期間含む)
実施機関 地方政府・コミュニティ開発省災害準備・緊急管理局
対象地域・施設 ジャマイカ全土
具体的事業内容(予定) (1)施設整備/機材調達
【機材】無線中継局(24ヵ所)、無線基地局(15ヵ所)、無線端末、早期警報システム(15ヵ所)等。
【施設】無線中継局建屋(6ヵ所)、屋外ラック(ソーラーパネル付)(1ヵ所)
(2)コンサルティング・サービス
詳細設計、入札補助、施工監理