エクアドル向け技術協力プロジェクト討議議事録の署名:防災計画の策定と建築制度の適切な運用を通じ地震と津波に強い街づくりを支援

2017年4月19日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、4月11日、エクアドルの首都キトにて、同国政府との間で、技術協力プロジェクト「地震と津波に強い街づくりプロジェクト」に関する討議議事録(Record of Discussions: R/D)に署名しました。

本事業は、地震と津波による被害を軽減するため、パイロット3市において、専門家による支援や研修等を通じて、津波避難計画の策定、防災計画の更新、建築制度の運用体制強化を行い、同国危機管理庁(Secretaría de Gestión de Riesgos:SGR)及び都市開発・住宅省(Ministerio de Desarrollo Urbano y Vivienda:MIDUVI)の各市に対する支援能力の向上を図るものです。

エクアドルでは、2016年4月16日、同国北西部マナビ県を震源とするマグニチュード7.8(米国地質研究所発表)の地震が発生し、死者660人超、避難者約3万人、住宅・学校等多数の建物の損壊など甚大な被害をもたらしました(注)。多くの人命が建物の損壊によって失われており、JICAは同年6月に「地震被災調査」を実施し、調査結果として土地利用計画が十分でなく、建物が弱い地盤などの不適切な場所に建てられていることや、市役所による建築制度の運用が適切でないことなどを確認しました。同国では、中央省庁が定めた各種規則は各市において運用されますが、地方分権が進んでいることから、相互の連携が十分でなかったことも背景の1つです。本事業はこの調査結果もふまえ、中央省庁であるSGRとMIDUVIの市に対する技術面の支援体制の構築を目指すものです。

JICAはこれまで、技術協力「津波を伴う地震のモニタリング能力向上プロジェクト」を通じて、地震と津波の観測・解析とその警報を発信する能力を向上させる協力を実施しています。また、現在、津波に対する災害管理能力の向上を目標に、沿岸市の職員を日本に招聘し津波防災に関する研修も行っています。これらの協力を通じて築かれた同国のSGRと沿岸市及びJICAの良好な協力関係は本事業を進めるうえでの土台となっています。

大地震の発生から1年という節目の時期に、本R/D署名が行われたことは、エクアドルと日本の関係者にとって、地震と津波に強い街づくりに取り組んでいく重要性を再認識する契機となりました。今後、本事業の実施を通じ、パイロット市における活動と職員の能力強化、住民への啓発等を図ることで、同国の中央省庁による市に対する支援体制が構築され、「災害に強い街づくり」に向けた取り組みが全国で展開され、津波と地震による被害が軽減されることが期待されます。

(注)2016年4月の地震発生後にJICAは、緊急援助として物資供与(テント、毛布等)を実施したほか、その後、地震防災や建物耐震に関するセミナーを複数回行い、地震災害に対する日本の知見の共有と情報発信を行いました。
また、中南米諸国で実施している防災分野のプロジェクト関係者による国際ワークショップをエクアドルで開催し、大学や研究機関により相互の知見の共有を行っています。

【案件基礎情報】
国名 エクアドル共和国
案件名 地震と津波に強い街づくりプロジェクト
実施予定期間 2017年7月〜2021年3月
実施機関 エクアドル危機管理庁(SGR)、都市開発・住宅省(MIDUVI)
対象地域 パイロット3市(アタカメス市、ポルトビエホ市、サリナス市)
具体的事業内容(予定) パイロット3市における津波避難計画の策定と避難訓練の実施、防災計画の更新、建築制度の運用に係るハンドブック作成を含む建築制度の運用体制強化