南アフリカ共和国向け技術協力プロジェクト討議議事録の署名:水道分野の技術者育成を支援

2017年4月24日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、4月21日、南アフリカ共和国の首都プレトリアにて、同国政府との間で、技術協力プロジェクト「IBTC無収水研修能力強化プロジェクト」に関する討議議事録(Record of Discussions: R/D)に署名しました。

本事業は、同国水・衛生省のインフラ整備局研修センター(Infrastructure Branch Training Centre:IBTC)の運営体制を整備し、無収水技術研修を継続的に実施できる研修運営能力の強化を図るものです。

南アフリカ共和国では、水資源の不足が深刻であり、その確保は国家的に取り組む課題となっています。同国政府は、解決策の1つとして水道施設の無収水率(注)を現在の34.6%(2016年12月調査時の全国平均)から減らす計画を進めていますが、対応できる技術者が量・質ともに十分ではありません。

日本は2013年から2015年の3年間に亘り、技術向上のため、同国の水道事業関係者を日本に招聘し、東京都水道局の研修・開発センターで研修を行いました。同研修で日本の水道技術を習得した研修員は多様な実習設備で実践的な研修を提供する施設に感銘を受けました。水・衛生省は、帰国した研修員の意見をもとに、南アフリカ共和国内で同様の研修を広めるため、2014年にIBTCを設立、研修事業を開始しました。しかしながら、独力で研修センターを運営することは容易ではなく、適切な知識を持つ講師人材や資機材の不足など多くの課題を抱えています。このような状況から、目標とする東京都水道局の研修・開発センターのように現場のニーズに則した体験型研修を提供できる機関となるよう、日本の技術支援による研修プログラムの運営管理能力の強化が求められています。

本プロジェクトは、同国の水道セクターにおける初めての技術協力プロジェクトです。本プロジェクトを通じて、日本の強みである無収水対策技術が移転され、IBTCにおいて持続的な研修が行われることを目指します。また、プロジェクトにおいて地方の水道事業体(自治体)に対しても研修を普及していくことが計画されており、今後、同国全土で無収水対策への貢献が期待されます。

(注)無収水率(%)とは、浄水場から配水した水量のうち、料金請求に至らなかった水量の割合

【案件基礎情報】
国名 南アフリカ共和国
案件名 IBTC無収水研修能力強化プロジェクト
実施予定期間 2017年6月〜2020年5月
実施機関 南アフリカ共和国水・衛生省
対象地域 IBTCが位置するハウテン州
具体的事業内容(予定) 研修情報の整理・広報、IBTCの組織運営能力強化支援、無収水削減についての研修実施体制構築、IBTCにおける持続的な研修実施能力の強化