エジプト向け円借款契約の調印:日本での留学・研修を通じ、教育・保健分野における日本式の質の高い教育システムの確立を支援

2017年5月8日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、5月2日、カイロにて、エジプト・アラブ共和国政府との間で、「人材育成事業(エジプト・日本教育パートナーシップ)」を対象として101億9,200万円を限度とする円借款貸付契約(Loan Agreement:L/A)に調印しました。

本事業は、主に教育・保健セクターを対象に、日本において留学、研修等を実施することによりエジプトの重点課題である人材育成を推進し、同国における貧困削減・生活水準の向上に寄与するものです。本件にかかる貸付資金はエジプト人の日本留学・研修に必要な授業料、滞在費、渡航費等に充当されます。

エジプトでは、特に初等教育では暗記・試験重視の傾向が強く、同国政府は、日本の特別活動(学級会、掃除、朝礼等)を参考に学ぶ意欲や社会性の醸成に資する教育を導入しようとしています。高等教育分野においては、教員一人当たりの学生数が過剰であるのに加え、座学中心の教育により、学生や研究者の実践力・研究能力の不足が大きな課題となっています。

保健分野においては、医療従事者の教育制度において実践的な教育が不十分であり、また、就労後の現場におけるスキルアップ制度が不十分であるため、医療従事者の知識・技術が不足しており、指導者を含む医療人材の育成が急務となっています。

エジプトでは、包摂的・持続的な成長に向け、教育・保健分野の人材育成にかかるこうした課題の解決が急務となっています。また、総人口約9,300万人の約半数が24歳以下の若者である一方、15歳から24歳までの若年層失業率は42%(2014年、世界銀行)に上り、失業率改善という点でも若者の能力強化が求められています。

これらの課題解決に向けた支援を進めるべく、2016年2月には、我が国とエジプト政府との間で、エジプトの若者の能力を強化し、同国の平和・安定・発展及び繁栄の促進に資することを目的とした「エジプト・日本教育パートナーシップ」(Egypt-Japan Education Partnership)が締結され、我が国は教育及び保健分野を中心に、5年間で少なくとも2,500人のエジプト人を受け入れる事を表明しました。

本事業は同パートナーシップの下で実施するものであり、JICAは本事業により、同パートナーシップで受け入れる予定の半数以上にあたる約1,360人の留学生・研修生の受け入れを行います。日本で学ぶ初等教育・高等教育及び保健分野の留学生・研修生が帰国後、各分野における人材育成システムや指導方法の改善に寄与することにより、エジプトの人材育成を推進することを目指します。

(参考)
1.借款金額及び条件

案件名 借款金額
(百万円)
金利(%/年) 償還期間
(年)
据置期間
(年)
調達条件
本体 コンサルティング・サービス
人材育成事業(エジプト・日本教育パートナーシップ)(Egypt-Japan Education Partnership (EJEP): Human Resource Development Project) 10,192 0.3 0.01 40 10 一般アンタイド

2.実施機関
高等教育・科学研究省(Ministry of Higher Education and Scientific Research)
住所:Academy of Scientific Research 10th Floor, 101 Kasr El Ainy Street, Cairo
TEL:+20-2-27948210、FAX:+20-2-27941005

3.今後の事業実施スケジュール(予定)
(1)事業の完成予定時期:2024年9月(全留学の学業修了時をもって事業終了)
(2)コンサルティング・サービス(留学・研修生監理等)にかかる招請状送付予定時期:
2017年5月
(3)本体工事に係る国際競争入札による最初の調達パッケージの入札公示:
本事業においては、入札を伴う工事は予定されていません。