コンゴ民主共和国におけるエボラウイルス病対策に日本の技術が貢献

2017年5月30日

引渡しの様子(国立生物医学研究所 所長ムエンベ教授(左)、JICA 池田専門家(右))

エボラウイルス病発生が報告されたコンゴ民主共和国に対して、5月29日にエボラウイルス迅速診断キット(クイックナビTMシリーズ)(注1)が400テスト提供されました。

同キットはザンビアで実施中の地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム(SATREPS)(注2)「アフリカにおけるウイルス性人獣共通感染症の調査研究プロジェクト」(注3)(チーフアドバイザー:北海道大学人獣共通感染症リサーチセンターの高田礼人教授)の研究成果を活用し、高田教授とデンカ生研株式会社との共同研究を通じて試作品として開発されたものです。特別な器具や装置を必要とせず、約15分で検査結果が判明するため、今回エボラウイルス病が発生したような医療施設が十分に整っていない地域においても活用が期待されています。

今回の供与は、エボラウイルス病の発生を受けコンゴ民主共和国保健省に保健アドバイザーとして派遣中の池田憲昭専門家(国立国際医療研究センター)が高田教授に対してキットの供与を打診した結果、デンカ生研株式会社のご厚意により無償提供いただいたものです。

供与されたキットは、今後、コンゴ民主共和国国立生物医学研究所や国内の診療所においてエボラウイルス病感染疑い患者や、ウイルスを保有している可能性のある動物に対する検査・診断の補助として使用される予定です。

(注1) デンカ生研株式会社が製造・販売を行う感染症迅速診断キット「クイックナビTM」シリーズのプラットフォームをベースとするもので、血清・血液を検体とした測定を行うもの。5種あるエボラウイルスのうち3種類を検出することが可能で、科学的にもウイルス検出力は証明されている。現在、世界保健機関(WHO)へ体外診断薬・機器の事前承認の申請中である。

(注2) SATREPSはJICAと国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)及び国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)が共同で実施している地球規模課題解決と将来的な社会実装に向けて日本と開発途上国の研究者が共同で研究を行う3〜5年間のプログラム。

(注3) ザンビアにおけるウイルス性人獣共通感染症に関する研究・調査能力の強化を目的として、診断法の開発・改良、エボラ出血熱やクリミア・コンゴ出血熱、デング熱など出血熱を引き起こすさまざまな出血性ウイルスなどが自然界においてどこで、どのように生存しているのか、またいつ、どうやって人間の社会に侵入してくるのか、そのメカニズムの解明を目指している。