モルディブ向け無償資金贈与契約の締結:地デジ日本方式の導入により島嶼間情報格差の是正や気象・防災情報を提供する基盤整備に貢献

2017年5月31日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、5月30日、モルディブ共和国政府との間で「地上デジタルテレビ放送網整備計画」を対象として27億9,200万円を限度とする無償資金協力の贈与契約(Grant Agreement: G/A)を締結しました。

本事業は、モルディブ全土において、日本方式による地上デジタルテレビ(地デジ)放送網の整備を行うことにより、国民の情報へのアクセスの向上を図り、島嶼間の情報格差の是正に貢献するとともに、防災情報の迅速な提供を促進することで気候変動対策や防災強化にも寄与するものです。

モルディブ共和国では、現在、公共及び民間放送局により地上アナログ放送が行われており、地上波放送の対人口比カバレッジは83.2%と、テレビが一般市民の主な情報入手の手段となっています。一方、民間放送局は首都マレ島及びその周辺でしか放送しておらず、全国規模で放送しているのは公共放送局のみであるため、約1,190の小環礁島から構成される同国では、島嶼間の情報格差が発生しており、重要な課題となっています。情報格差を是正し、市民の情報へのアクセス向上を図るためには、地方の島における現地語で視聴可能な番組数の増加等、放送の拡充が必要です。また、同国は島嶼国であることから暴風や洪水、気候変動による海面上昇等の自然災害の影響を受ける潜在的リスクが高いため、緊急時に避難等に必要な詳細な気象・防災情報を迅速に提供するための基盤整備も急務となっています。このため、地上波放送事業者による共同送信(電波送信塔の共同利用)、番組多重化、データ放送を通じた防災情報を含む多種多様な情報提供を可能とする地デジ放送網の整備が求められています。

本事業により、地上波放送の対人口比カバレッジが90%以上に、また地方の島で視聴可能なチャンネル数が1チャンネルから8チャンネルに増えることが想定され、島嶼間の情報格差是正や、地方のニーズを反映した番組の提供、気象・防災情報へのアクセスの向上等に貢献することが期待されます。

【案件基礎情報】
国名 モルディブ共和国
案件名 地上デジタルテレビ放送網整備計画
実施予定期間 工期23ヵ月(詳細設計・入札期間含む)
実施機関 公共放送局
対象地域・施設 モルディブ全土
具体的事業内容(予定) (1) 土木工事、調達機器等の内容
地デジプラットフォーム(PF)整備:デジタル送信システム(デジタル放送送信所18サイト、中継所3サイト)、ネットワークオペレーションセンター機材、公共放送局機材、アンテナ鉄塔、保守用測定器・工具及び交換部品の調達・据付、送信局舎21棟(各25.0m²)

(2)コンサルティング・サービス
詳細設計、入札補助、調達監理