バングラデシュ初の「浮体式LNG貯蔵再ガス化設備運営事業」に対する海外投融資貸付契約(プロジェクトファイナンス)の調印

〜同国初の天然ガス輸入事業へJICAが融資。エネルギー供給の早期改善に貢献〜

2017年7月12日

国際協力機構(JICA)は、米国企業Excelerate Energy Limited Partnershipと世界銀行グループの国際金融公社(International Finance Corporation:以下「IFC」)がバングラデシュに設立する特別目的会社Excelerate Energy Bangladesh Limited(以下「Excelerate」)が行う、LNG輸入設備の建設・運営事業を対象に、プロジェクトファイナンスによる貸付契約を締結しました。本融資は、IFC、英連邦開発公社(注1)、ドイツ投資開発公社(注2)、オランダ開発金融公社(注3)との協調融資です。

本事業では、Excelerateがバングラデシュ南東部のモヘシュカリ沖合において、洋上設備、港湾業務、浮体式LNG貯蔵再ガス化設備(Floating Storage and Regasification Unit、以下「FSRU」(注4))の用船契約を含む、液化天然ガス(LNG)の洋上輸入ターミナルの建設・運営を行います。本事業は、バングラデシュでの安定的な天然ガス供給と、逼迫する一次エネルギーの需給の早期改善に寄与するものです。JICAは、本事業に必要な資金の一部をExcelerateに融資します。

バングラデシュでは、過去15年平均6%超の経済成長を背景にエネルギー需要も急増しており、今後2040年まで年平均5.3%の伸び率が見込まれています。また、天然ガスは同国の発電エネルギー源の74%(2015年)を占めており、現在の予測では2025年時点において国内需要約3,100mmscfd(注5)に対し、国内のガス供給能力は1,700 mmscfdに留まる見通しで、需給ギャップが大幅に拡大する見込みです。(PSMP 2016 注6)。エネルギー供給の改善に向けて、天然ガスの輸入促進が最重要課題となっていますが、同国においては現時点では天然ガス輸入基地が存在しておらず、整備が喫緊の課題となっています。

FSRUは、陸上の同種設備と比べて建設工事の工期が短いのが特徴です。本事業は、同国初の天然ガス輸入基地の整備事業として、エネルギー供給の早期改善に貢献することが期待されます。

本事業は、2017年5月にJICAが途上国における民間セクター向けの協調融資を円滑に行うためにIFCと締結した業務協力にかかる覚書(注7)に基づく、初の協調融資案件です。JICAは今後もバングラデシュにおけるエネルギー分野への支援を継続していくと同時に、IFCを始めとする国際金融機関との連携を積極的に推進し、開発途上国・地域の経済社会開発に資する案件の組成を進めていきます。

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「FSRU運転時イメージ図」(Excelerate社提供)

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「FSRUの姉妹船」(Excelerate社提供)

(注1) 英連邦開発公社 CDC Group plc
(注2) ドイツ投資開発公社 Deutsche Investitions-und Entwicklungsgesellschaft mbH
(注3) オランダ開発金融公社 Nederlandse Financierings−Maatschappij voor Ontwikkelingslanden N.V.
(注4)洋上沖合に係留された特殊なLNG船で、海外からタンカーで輸入したLNG(液化天然ガス)を受入・貯蔵したのち、再ガス化してパイプラインで消費地へ送る洋上ターミナル。
(注5)mmscfd(million standard cubic feet per day:百万立法フィート/日)
(注6)バングラデシュ国 電力・エネルギーマスタープランPeople's Republic of Bangladesh, Power & Energy Sector Master Plan (PSMP 2016)