マケドニア向け技術協力プロジェクト討議議事録の署名:森林生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)に関する体制強化を支援

2017年8月10日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、8月10日、首都スコピエにて、マケドニア旧ユーゴスラビア共和国政府との間で、技術協力プロジェクト「持続的な森林管理を通じた、生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)能力向上プロジェクト」に関する討議議事録(Record of Discussions: R/D)に署名しました。

本事業は、同国の危機管理センターやマケドニア森林公社と協働して、洪水、地すべり、土壌浸食及び森林火災に対し、森林生態系の有する多様な機能を活用した防災・減災(Ecosystem-based Disaster Risk Reduction :Eco-DRR)のモデル開発を行い、長期的な視点に立って同国の災害リスクの軽減を目指すものです。

森林生態系には、土壌侵食防止や水源涵養などの様々な機能があることが知られていますが、同国の森林は頻発する森林火災や、違法伐採等により荒廃が進み減少しています。国土の約8割が山岳・丘陵地帯にあることもあり、森林の減少により、土壌侵食、地すべり、洪水、鉄砲水などによる住宅地、交通インフラ、農地などへの被害が深刻化しています。

JICAは、2011年から2014年にかけて、頻発する森林火災により脅かされている森林生態系を守るべく「森林火災危機管理能力向上プロジェクト」を実施しました。同プロジェクトで構築したマケドニア森林火災情報システム(Macedonian Forest Fire Information System: MKFFIS)は、森林火災の防止と減災に役立っていますが、森林火災後の森林復旧が十分でないこと、違法伐採などにより、同国の森林は減少し続けているとともに、健全な森林としての質も低下しています。
近年、洪水の頻度や規模が高まり、死傷者が発生するなど被害が増大しており、適切な森林計画・管理や治山・植林技術など、Eco-DRRに関するノウハウが必要とされ、マケドニア政府から日本政府に支援要請があったものです。

本事業では、Eco-DRRのモデル開発に向け、MKFFISを拡張した、洪水等の災害にも対応できるシステムの開発・導入、森林計画や森林管理に関する制度の強化、森林の機能(特に洪水緩和の機能、土砂防備の機能)を高めるための治山技術や育苗技術の強化に取り組みます。

【案件基礎情報】
国名 マケドニア旧ユーゴスラビア共和国
案件名 持続的な森林管理を通じた、生態系を活用した防災・減災(Eco-DRR)能力向上プロジェクト
実施予定期間 2017年10月〜2022年10月
実施機関 危機管理センター、農業・森林・水経済省、マケドニア森林公社
対象地域 マケドニア全土(ボドノ山、ラドビシュ、スベティニコレ等をパイロットサイトとする)
具体的事業内容(予定) 既存の森林火災情報システムを拡張し、洪水などの災害にも対応するシステムを開発・導入、森林計画・管理に関する制度の強化、森林の防災・減災機能を高めるための治山技術・育苗技術の能力強化