エルサルバドル向け技術協力プロジェクト討議議事録の署名:地方自治体の社会開発事業実施の能力強化を支援

2017年8月29日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、8月28日、サンサルバドルにて、エルサルバドル共和国政府との間で、技術協力プロジェクト「生活改善アプローチに基づいた東部地域地方開発能力強化プロジェクト」に関する討議議事録(Record of Discussions: R/D)に署名しました。

本事業は、エルサルバドルの東部地域4県において、地方開発の主たる担い手である地方自治体が、同国が推進する生活改善アプローチに基づき、住民のニーズが反映された社会開発事業を実施するための能力強化を進めるものです。

エルサルバドルは、コーヒーを中心とした農産物の輸出を伸ばし、経済を発展させてきましたが、その過程で都市部と農村部の経済格差が顕著になっています。特に東部地域は、1992年まで続いた内戦による影響が最も大きかった地域で、多くの社会インフラが被害を受けたため、未だ経済成長の恩恵が十分もたらされてきていません。同国政府は、同地域の貧困問題を解決するため、同地域の開発計画を策定し、地方開発社会投資基金が地方の社会開発に取り組んでいます。同基金は、JICAが2005年から実施している課題別研修「生活改善アプローチを通じた持続的農村開発」に参加した職員の経験を活かし、食料安全保障、環境、健康、社会連帯、家計改善の5つの視点による生活の向上に資する活動を、地域の資源を活用しながら、自助努力で促進するという生活改善アプローチを推進しています。同アプローチはエルサルバドル国内の東部地域の6市を含む10市において、試行的に実践されており、その結果、地域住民と自治体との関係強化や、食習慣の改善、社会的弱者への支援などが促進され、現金収入の向上にもつながっています。他方、農村部で持続的な社会開発を進めていくためには、地方自治体が生活改善アプローチに基づく開発事業を実施していく能力をさらに高めていくことが必要となっています。

本プロジェクトにより、地方開発の担い手である地方開発社会投資基金の指導により地方自治体が住民のニーズを反映した村・市の開発計画を策定し、同計画に基づき、社会開発事業を実施する能力が向上するとともに、開発に携わる地域の関係者の連携も強化されることを目指します。これにより、持続的な社会開発事業が実施され、住民の生活の向上に寄与することが期待されます。

【案件基礎情報】
国名 エルサルバドル共和国
案件名 生活改善アプローチに基づいた東部地域地方開発能力強化プロジェクト
実施予定期間 2017年11月〜2022年10月
実施機関 地方開発社会投資基金社会開発部
対象地域 東部地域4県(ウスルタン県、モラサン県、サン・ミゲル県、ラ・ウニオン県)
具体的事業内容(予定) 対象地域4県において、対象市・村が地域の資源を活用し、生活改善アプローチに基づいた社会開発事業を実施するための能力強化を支援することにより、以下を促進し、住民の生活向上に寄与する。
(1)住民のニーズを反映した開発計画の策定や地域資源を活用した効率的な事業の実施
(2)モニタリングと評価によるフィードバック
(3)中長期的な開発計画の策定と実施