パキスタン向け技術協力プロジェクト討議議事録の署名:気候変動対策に資する省エネルギー戦略策定を支援

2017年8月31日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、8月30日、パキスタン・イスラム共和国の首都イスラマバードにて、同国政府との間で、技術協力プロジェクト「省エネルギー基準及びラベリング制度にかかる戦略策定・推進プロジェクト」に関する討議議事録(Record of Discussions: R/D)に署名しました。

パキスタンでは、近年深刻な電力需給ギャップが生じています。2015年におけるピーク時電力需要が24,757MWであるのに対し、供給能力は18,826MWに留まり、供給力が24%も不足している状況です。この需給ギャップにより、地域によっては計画停電が長時間発生しており、安定供給の実現が喫緊の課題となっています。

これに対し、パキスタン政府は、発電、送電、配電等の電力インフラ開発を通じた電力供給力の強化を図っていますが、同時に需要側での電力消費量も削減すべく省エネルギー(以下、「省エネ」という)の取り組みも本格化させています。2016年7月には省エネ法が公布され、省エネルギー基準及び省エネラベリング制度(注)の普及促進に向けた法的枠組みが整備されました。

本事業は、省エネルギー基準及びラべリング制度の義務化、普及活動、人材育成を通じて、パキスタン全土で省エネを推進していくための制度構築・運用を支援するものです。省エネ分野で高い実績を誇る日本の知見をパキスタンの制度に適した形で導入することで、家電製品等のエネルギー効率を改善し、同国の深刻な電力需給ギャップ解消に貢献することを目指しています。

本事業を始め、国連開発計画(UNDP)やアジア開発銀行(ADB)等が実施している省エネ事業等が適切に実施されれば、ピーク時の電力需要を最大4,500MW程度削減できる可能性があると試算されています。その結果、パキスタンの電力需給状況の改善と、供給能力の7割程度を占める火力発電による温室効果ガスの排出を抑制する効果が期待されています。

(注)家電製品等の省エネルギー基準及びその表示(ラベル)の運用に関する制度・規制

【案件基礎情報】
国名 パキスタン・イスラム共和国
案件名 省エネルギー基準及びラべリング制度にかかる戦略策定・推進プロジェクト
実施予定期間 2017年10月〜2020年9月
実施機関 国家省エネルギー機関
対象地域 イスラマバード、ラホール他
具体的事業内容(予定) 省エネルギー基準及びラべリング制度の義務化を目指し、その実現のためのビジョン、戦略、アクションプランを策定する