アルメニア向け無償資金贈与契約の締結:消防車両・機材の整備により、地方部における人々の安全に貢献

2017年9月8日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、9月7日、エレバンにて、アルメニア共和国政府との間で、「消防機材整備計画」を対象として15億4,000万円を限度とする無償資金協力の贈与契約(Grant Agreement: G/A)を締結しました。

本事業は、アルメニアのロリ地方、シラク地方、シュニク地方において、消防車両・機材等の整備を行うことにより、消防・救助活動能力の改善を図り、もって対象地域の人々の安全に寄与するものです。

アルメニアの地方部では、消防車両・機材の多くが旧ソ連時代(1980年代)に配備されたものであり、老朽化が著しい状況です。加えて、十分な整備が行われていないことが原因で、火災や自然災害などが起きた際に一元的に情報を集約する危機管理センターが各消防署に対して出動指令を行ってから消防車両が出動するまで10分以上要するなど、消火・救助活動を十分に行うことができず、人々の安全な生活のボトルネックとなっています。

本事業対象地域のうちシラク地方ギュムリ市は当国第二の都市であるにもかかわらず、都市防災に必要となるはしご車等の消防機材が十分に整備されていません。ロリ地方、シュニク地方では、焼畑農業が原因の山火事が多く発生しているものの、消防車両の老朽化等によりエンジンに機能上の欠陥を抱えており出動までに時間がかかるなど迅速な消火活動が行われず、被害拡大につながっています。また、本事業対象地域はアルメニアの中でも特に高低差が大きい坂道が多く、老朽化が進んだ現有の消防車両では登坂が困難なため現場まで移動することができないケースや出動途中で車両が故障してしまうケースが発生しています。

本事業により、これまで出動指令から消防車両出動まで10分以上要していた所要時間を1分以下に短縮することが想定されます。これにより、迅速な消火・救助活動が可能となり、対象地域住民の安全・安心の向上が期待されます。

【案件基礎情報】
国名 アルメニア共和国
案件名 消防機材整備計画(The Project for Improvement of Fire Fighting Equipment)
実施予定期間 協力期間23ヵ月(詳細設計・入札期間含む)
実施機関 非常事態省救助庁
対象地域・施設 ロリ地方、シラク地方、シュニク地方
具体的事業内容(予定) (1)施設整備/機材調達
水槽付消防ポンプ車(3,500L水槽、36台)、はしご車(25m以上、3台)、移動工作車、スペアパーツ等

(2)コンサルティング・サービス
詳細設計、入札補助、調達監理、(ソフトコンポーネントとして)消防隊員を対象とした安全管理、消防技術の指導