ザンビア向け技術協力プロジェクト討議議事録の署名:農家主体の小規模灌漑開発促進により、所得向上に貢献

2017年10月13日

国際協力機構(JICA)は、10月11日、ルサカにて、ザンビア共和国政府との間で、技術協力プロジェクト「地域密着型灌漑開発の展開プロジェクト」に関する討議議事録(Record of Discussions: R/D)に署名しました。

本事業は、対象6州において、地元の素材等を活かした低コストの小規模灌漑施設の導入や小規模農家の灌漑農地の管理技術の改善を図り、地域密着型の灌漑農業を促進し、もって対象地域の農家所得の向上に寄与するものです。

同国の農業は、就業人口の約7割が従事し、鉱業と共に経済成長を担う重要セクターですが、生産量と生産性の低さが課題となっています。この背景には、有効利用されている可耕地が全体の16%と少ないことや、灌漑可能な農地でもほとんど灌漑施設が整備されていないことが挙げられ、生産量の拡大と生産性の向上には、農地の拡大に加えて、灌漑農業を促進する必要があります。そのため、同国政府は灌漑面積を拡大する方針を掲げて取り組みを進めていますが、予算不足や十分な能力を備えた農業普及員の不足などにより、計画通りには進んでいません。そこでJICAは、2013年3月から2017年6月まで、技術協力プロジェクト「小規模農民のための灌漑開発プロジェクト」を実施しました。同プロジェクトでは、ザンビアの国土に数多く見られる小河川や湿地帯の水資源を活用しながら、木や竹、粘土、石等の現地の自然素材を利用した低コストの簡易堰等を農家自身の手で設置する地域密着型の小規模灌漑開発やその維持管理手法を普及員や農家に技術移転しました。その結果、900ヘクタール以上の新規灌漑開発が達成され、農家の手によって小規模ながらも灌漑開発が進められることで、灌漑面積を着実に増やせることが実証されました。

本技術協力では、上記プロジェクトの成果を踏まえ、対象州を3州から6州に増やし、引き続き普及員や農家による小規模灌漑開発の促進と維持管理能力の強化を行うとともに、営農やマーケティングスキルの強化を図る予定です。また、現在実施中の技術協力プロジェクト「コメ普及支援プロジェクト」や青年海外協力隊の活動とも連携し、農家の所得向上を支援します。

【案件基礎情報】
国名 ザンビア共和国
案件名 地域密着型灌漑開発の展開プロジェクト
実施予定期間 2018年1月〜2022年12月
実施機関 農業省
対象地域 カッパーベルト州、北西部州、中央州、ルアプラ州、北部州、ムチンガ州の38郡
具体的事業内容(予定) 小規模灌漑施設の導入、小規模農家の灌漑農地の管理技術の向上、営農やマーケティングの能力強化、対象地区における地域密着型の灌漑農業の促進