キューバ向け無償資金贈与契約の締結:農業機材の整備を通じて米の増産に貢献

2017年11月8日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、11月7日、ハバナにて、キューバ共和国政府との間で、「稲種子生産技術向上のための農業機材整備計画」を対象として12億1500万円を限度とする無償資金協力の贈与契約(Grant Agreement: G/A)を締結しました。

本事業は、キューバの対象8県及び1特別自治区において、稲種子生産に必要な機材を整備することにより、稲種子生産の増加と供給の安定化を目指します。

同国では、主食である米の自給率が約40%(2012年、国家情報統計局)と低迷しており、米の増産が課題となっています。米の増産には、高品質の優良品種の種子を増産し、主要な米生産地への配布を拡充することが重要です。そこでJICAも2003年より、地域特性に合った優良品種の導入と、その種子生産技術を普及するための協力を行ってきました。

しかし、同国では稲種子の生産体制が大規模国営農場からの個人農家等へと移行する中、農家が使用できる機材が非常に限られており、耕起や代かき、圃場整備作業が適切に行われず、稲の育成にムラが生じています。また、苗を水田に植える移植機が不足しているため、直接水田に種をまく直播栽培が中心であることも密植と雑草の繁茂に繋がっています。そうしたことから、必要な機材を整備し、水田でより適切な栽培を行う体制を整備することで、高品質の稲種子の生産性を高めることが求められています。

本事業により、稲種子生産農家の機材へのアクセスが向上するとともに、水田での移植栽培生産における単収が約20%増加し、同国の米の増産に寄与することを目指します。

JICAは、同国において稲作振興のための技術協力を過去10年以上にわたって継続的に実施し、直近では、技術協力「中部地域5県における米証明種子の生産にかかる技術普及プロジェクト」(2012年〜2016年)において、優良な稲種子の生産技術の移転と普及を支援しました。また、「基礎穀物生産技術普及プロジェクト」(2016年〜2019年)により、農業普及システムの強化を通じた栽培技術の改善を実施しており、本事業を含め、同国の米の増産に向けて包括的な支援を展開しています。

【案件基礎情報】
国名 キューバ共和国
案件名 稲種子生産技術向上のための農業機材整備計画(Project for improvement of agricultural machinery for advances in rice seeds production techniques)
実施予定期間 工期15ヵ月(詳細設計・入札期間含む)
実施機関 農業省及び農業公社グループ
対象地域・施設 ピナールデルリオ県、マタンサス県、シエンフエゴス県、ビジャクララ県、サンクティスピリトゥス県、シエゴデアビラ県、カマグエイ県、グランマ県及び青年の島特別自治区
具体的事業内容(予定) (1)機材調達
トラクター、ロータリティラー、水田用車輪、田植機、コンバインハーベスター、トレイ式播種機、育苗箱、スペアパーツ

(2)コンサルティング・サービス
詳細設計、入札補助