フィリピン向け開発計画調査型技術協力討議議事録の署名:自動車産業における産業人材育成及びサプライ・バリューチェーンの強化を支援

2017年11月30日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、11月29日、マニラにて、フィリピン共和国政府との間で、開発計画調査型技術協力「産業人材育成およびバリューチェーン強化を通じた産業競争力向上プロジェクト」に関する討議議事録(Record of Discussions: R/D)に署名しました。

本事業は、職業訓練校等における産業人材育成カリキュラムの改善や投資制度の見直し、外国企業と国内企業の間のマッチング強化等のためのパイロットプロジェクトの実施を通じて、フィリピンの自動車産業育成のための人材育成カリキュラムやサプライ・バリューチェーンの構築・強化に係る政府機関向け実施マニュアルを策定し、自動車産業をはじめとした同国の製造業の育成・発展を支援するものです。

フィリピンは、他のASEAN諸国に比べて製造業の発展において後れを取っており、フィリピン政府は、現在、ASEANによる地域経済統合のメリットを生かし、国内製造業の競争力を高めるために各種の産業政策を打ち出しています。しかし、職業訓練校等が企業側のニーズに合った技能や技術を持つ人材を十分に供給ができていない、また、外資企業が必要とするような裾野産業も国内に十分に育っていないという課題が依然としてあります。このため、産業界のニーズに合った技能・技術をもった人材育成を行い、魅力的な投資環境を整備することで外資企業のサプライ・バリューチェーンへ国内企業を参画させ技術の移転を図り、国内企業の育成と競争力強化を図って行く必要があります。

JICAは、2016年より、製造業の中でもフィリピン政府が産業政策において重視している自動車産業を対象に同産業の振興計画を策定する「バリューチェーン分析を活用した産業振興計画策定プロジェクト」(2016〜2018年)を実施しています。同プロジェクトを進める中、自動車産業においても、人材育成及びサプライ・バリューチェーン強化に向けた政府の有効な支援策を検討する必要があることが明らかになりました。

これらを踏まえて、本事業では、自動車産業における既存の人材育成カリキュラムとサプライ・バリューチェーン構築上の課題を分析し、改善策を検討します。それらに基づきパイロットプロジェクトを実施し、そこから得られた教訓等をマニュアルとして纏めます。本事業によりフィリピンの自動車産業をはじめとした製造業の国際競争力が強化されることが期待されます。

【案件基礎情報】
国名 フィリピン共和国
案件名 産業人材育成およびバリューチェーン強化を通じた産業競争力向上プロジェクト
実施予定期間 2018年〜4年間
実施機関 フィリピン貿易産業省
対象地域 カラバルソン地域
具体的事業内容(予定) 外資企業の課題・ニーズの調査、産業人材育成/サプライ・バリューチェーン強化のためのパイロットプロジェクトの実施・政府関係機関向けのマニュアルの作成・今後のアクションプランの作成