モンゴル向け無償資金贈与契約の締結:誰もが使いやすい、安全安心な学校の整備を通じ、初等・中等教育の学習環境改善に貢献

2017年12月1日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、11月30日、ウランバートルにて、モンゴル国政府との間で「ウランバートル市初等・中等教育施設整備計画」を対象として23億7,900万円を限度とする無償資金協力の贈与契約(Grant Agreement: G/A)を締結しました。

本事業は、首都ウランバートル市内において、モンゴル政府が今後、学校建設を進める際のモデルとなる、質の高い初等・中等教育施設を4校整備するものです。対象施設には、障害児への合理的配慮、防災対策、環境配慮の観点から設計を工夫し、学校を訪れる全ての人々が使いやすいよう、ユニバーサルデザインを適用します。

同国の2015年の初等教育(5年制)純就学率は99.3%、中等教育前期までの義務教育期間(計9年)の修了率は96.9%と高い水準にあります。しかしながら、近年、ウランバートルへの急激な人口流入に対し、教育施設整備が追い付かず、二部制・三部制による授業を余儀なくされるなど、学校の受け入れ能力不足による学習環境の悪化が深刻な課題となっています。

そのため、新たな教育施設の整備が必要となっていますが、既存の学校施設には質の面でも課題が見られます。同国政府は障害児のニーズにあう教育サービスの開発を教育分野の目標の一つに掲げていますが、実際の学校施設においては、障害児が安全・快適に学ぶためのバリアフリー設計などの適用が不足しているほか、障害への理解不足から、設備はあっても十分に利用されていないケースもあります。

また、防災対策の観点からも学校施設の質向上が求められています。具体的には、政府による調査により全国656校の学校のうち、242校が非耐震設計であることが分かっており、耐震性能を有する施設の確保等が課題になっています。

このような状況において、本事業により、教育施設の不足が改善されると共に、モンゴル政府が今回整備された4校をモデルとして、今後質の高い初等・中等教育施設の建設を推進していくことが期待されます。

また、JICAは本案件と、現在実施中の「障害児のための教育改善プロジェクト」との連携を予定しており、障害を持った児童も含めて誰にとっても使いやすい学校づくりをハード・ソフトの両面で支援し、モンゴルの学習環境を包括的に改善することを目指します。

【案件基礎情報】
国名 モンゴル国
案件名 ウランバートル市初等・中等教育施設整備計画 (The Project for the Improvement of Facilities for Primary and Secondary Education in Ulaanbaatar City)
実施予定期間 工期44ヵ月(詳細設計、入札期間を含む)
実施機関 教育・文化・科学・スポーツ省(Ministry of Education, Culture, Science and Sports)
対象地域・施設 ウランバートル市
具体的事業内容(予定) (1)施設整備/機材調達
【施設】計61教室、体育館、芸術ホール、ICT教室、食堂など
【機材】実験・実習機材、ICT教材、インクルーシブ教育機材など
(2)コンサルティング・サービス
詳細設計、入札補助、施工・調達監理、(ソフトコンポーネントとして)施設視察を含むセミナー実施、広報資料作成等