フィリピン向け技術協力プロジェクト討議議事録の署名:科学的根拠に基づいた薬物依存症治療プログラムの開発により、患者の健康状態や生活状況を改善

2017年12月21日

国際協力機構 (JICA) は、12月20日、マニラにて、フィリピン共和国政府との間で、「科学的根拠に基づく薬物依存症治療プログラム導入プロジェクト」に関する討議議事録 (Record of Discussions: R/D) に署名しました。

本事業は、同国保健省の認可を受けた薬物依存症治療施設における治療プログラムの改善を行うことにより、効果的な治療サービスの提供を目指すものです。

フィリピンでは、大量の違法薬物患者の存在が社会問題化しており、多くの患者が専門施設での治療を必要としています。しかしながら、保健省の認可を受けた薬物依存症治療施設は、入所者の急増を背景に、質量両面において、十分な治療・リハビリの提供ができていないのが実情です。

日本政府は、2016年10月26日に行われた日・フィリピン首脳会談において、薬物使用者の治療・更生等を支援していく旨を表明し、その後の協議等を通じ、治療施設の整備、治療プログラムの策定、人材育成・啓発活動に対する支援を行うとしています。これを受け、
JICAは、無償資金協力や技術協力、フィリピン政府関係者の日本への招聘事業等を通し、同国の違法薬物対策を治療強化の観点から支援しています。ハード面においては、2017年4月3日に、治療施設の建設や施設運営ガイドラインの整備等を目的とする無償資金協力「違法薬物使用者治療強化計画」の贈与契約を締結しました。他方、ソフト面においては、再発予防の観点から治療プログラムの効果の把握や質の向上、サービス提供者の能力強化が必要とされています。

本事業により、薬物依存症治療施設において、効果的な治療サービスが提供されるようになり、違法薬物患者の治療施設退所後の健康状態や生活状況の改善に貢献することが期待されます。

なお、患者ニーズ、社会・文化的背景、人権等に十分配慮した支援を行うために、日本国内の行政及び民間の有識者の方々からなる国内支援委員会を設置しています。

【案件基礎情報】
国名 フィリピン共和国
案件名 科学的根拠に基づく薬物依存症治療プログラム導入プロジェクト
実施予定期間 2017年12月~2022年12月
実施機関 保健省
対象地域 保健省管轄の薬物依存症治療施設(ビクタン薬物依存症治療施設、タガイタイ薬物依存症治療施設ほか)
具体的事業内容(予定) 全国で適用可能な治療プログラムと研修システムの開発、治療プログラムの有効性実証のための研究機能の強化、治療サービスのモニタリング評価機能の強化