スリランカ向け技術協力プロジェクト討議議事録の署名:名古屋市・神戸市と連携してスリランカにおける水道事業運営の効率化を支援

2018年1月11日

国際協力機構(JICA)は、1月10日、コロンボにて、スリランカ民主社会主義共和国政府との間で技術協力プロジェクト「国家上下水道公社西部州南部地域事業運営能力向上プロジェクト」に関する討議議事録(Record of Discussions: R/D)に署名しました。

本事業は、水道の管路に関するアセットマネジメント(資産管理)の導入、管路の施工・維持管理技術の強化を通じて、国家上下水道公社(National Water Supply and Drainage Board:NWSDB)による水道事業運営の効率化を支援するものです。

同国の水道普及率は、人口が集中しているコロンボ県では94.5%に達していますが、全国的にみると48.1%に留まっています。そのためNWSDBは、アセットマネジメントの導入により水道施設の管理能力を強化し、事業費の適正な配分により施設整備・更新を効果的に推進したいと考えています。
また、NWSDBは、地下で発生する目視確認できない漏水に対処できていない、技術者(配管工)が管路の正しい施工手順を理解していない、施工監理者が管路の施工状況の適否を確認できていない等問題を抱えており、無収水率(注1)は全国平均で27.8%と高くなっています(注2)。無収水量を削減して安定的な水供給を行うためには管路の施工・維持管理技術の向上が必要です。

本事業では、アセットマネジメントの先行事例を持ち、質の高い水道サービスを提供している日本の地方自治体の経験・知見を活用するため、事前の調査の段階から名古屋市上下水道局、神戸市水道局の協力を得ており、NWSDBの現況を踏まえたアセットマネジメントの導入、管路の施工・維持管理技術の強化に向けたパイロット活動、NWSDBの研修施設の整備、研修実施能力強化を行うことで、NWSDBによる管路管理を改善し、水道事業運営の効率化を支援していきます。

【案件基礎情報】
国名 スリランカ民主社会主義共和国
案件名 国家上下水道公社西部州南部地域事業運営能力向上プロジェクト
実施予定期間 2018年6月~2021年6月
実施機関 国家上下水道公社(NWSDB)
対象地域 NWSDB西部州南部地域
具体的事業内容(予定) アセットマネジメントガイドライン案の作成支援を通じた管路に関するアセットマネジメントの導入、管路の施工・維持管理技術の強化に寄与するパイロット活動の実施及び研修実施能力の強化によるNWSDBによる管路のマネジメント業務強化

(注1)水道システムに投入された水量のうち、漏水や違法接続、メーターの不具合などにより、料金請求の対象とならなかった水量の割合を示した指標
(注2)出典:NWSDB、Corporate Plan 2016-2020