ヨルダン最大規模の太陽光発電事業に対する海外投融資貸付契約(プロジェクトファイナンス)の調印: 電源の多様化及び気候変動対策に貢献

2018年1月25日

Masdar CFO(中央)及びIFC中東・北アフリカ地域インフラ局ヘッド(左)との面談

国際協力機構(JICA)は、アブダビのAbu Dhabi Future Energy Company(Masdar)及びフィンランドのTaaleriが設立する特別目的会社Baynouna Solar Energy Company(以下「BSEC」)が行う太陽光発電事業を対象に、プロジェクトファイナンスによる貸付契約を締結しました。本融資は、国際金融公社(International Finance Corporation:以下「IFC」)、ドイツ投資開発公社(注1)及び石油輸出国機構国際開発基金(注2)との協調融資です。

本事業は、BSECがヨルダンのアンマン県ムワッカルにおいて、ヨルダン最大規模となる200MW太陽光発電所の建設・運営を行うものです。本事業により電源の多様化が図られるほか、年間36万トンのCO2削減が期待されています。

ヨルダンでは、年間総発電量19,498GWh(2016年)に対し、年間消費電力は16,843GWh(同)と電力需給が逼迫しています。電力需要は今後も年間4-5%の伸びが予測されている中、既存発電施設の老朽化も進んでいるため、継続的な電源開発が必要不可欠となっています。また、エネルギー源の97%を輸入に依存し燃料価格変動の影響を受けやすいため、政府は再生可能エネルギーを用いた電源開発を推進しており、2020年までに再生可能エネルギーの発電容量を全体の20%に高めることを目標に掲げています。

また、ヨルダンは周辺国から多くの難民を受け入れており、パレスチナやイラクからの難民に加え、特に2011年のシリア危機以降は、シリアから約65万人の難民が流入しています。ヨルダン政府は難民受け入れに伴う電力需要増に対応する観点からも、再生可能エネルギーの開発を急いでいます。多くの難民は都市部のホストコミュニティで生活しており、本事業で建設される太陽光発電所はそれらホストコミュニティに電力を供給します。これは、日本政府がG7伊勢志摩サミット(2016年5月)、世界人道サミット(2016年5月)、第71回国連総会(2016年9月)で表明した、中東地域の安定化や難民受け入れ国・コミュニティのための支援強化の方針とも合致するものです。

JICAはこれまでヨルダンの電力セクターに対して、「金融セクター、ビジネス環境及び公的サービス改革開発政策借款」(2016年、注3)を通じて、エネルギー価格に連動した電力料金システムの導入や再生可能エネルギー開発の支援を行ったほか、「電力セクターマスタープラン策定プロジェクト」(2014年~2017年、注4)を通じて、最適な電源供給計画の策定支援を行ってきました。JICAは今後もヨルダンにおけるエネルギー分野への支援を継続していくと同時に、IFCを始めとする国際金融機関との連携を積極的に推進し、開発途上国・地域の経済社会開発に資する案件の組成を進めていきます。

なお本事業は、2017年5月にJICAが途上国における民間セクター向けの協調融資を円滑に行うためにIFCと締結した業務協力にかかる覚書(注5)に基づく、2件目の協調融資案件となります。

(注1) ドイツ投資開発公社 Deutsche Investitions-und Entwicklungsgesellschaft mbH
(注2)石油輸出国機構国際開発基金 OPEC Fund for International Development