ネパール向け技術協力プロジェクト討議議事録の署名:カトマンズ盆地の水道サービス改善を支援

2018年2月2日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、2月1日、カトマンズにて、ネパール連邦民主共和国政府との間で、技術協力プロジェクト「カトマンズ盆地水道公社水道サービス向上プロジェクト」に関する討議議事録(Record of Discussions: R/D)に署名しました。

本事業は、カトマンズ盆地水道公社(Kathmandu Upatyaka Khanepani Limited :KUKL)による水道事業の運営能力を強化することにより、同盆地内の水道サービスの向上を支援するものです。

カトマンズ盆地では、人口270万人に対する給水量が圧倒的に不足しており、推定需要量が37万立方メートル/日であるのに対して、実際の給水量は年平均で12.6万立方メートル/日と需要量の3分の1に留まっています。1日の給水時間は、地区によってばらつきはありますが、平均すると2時間程しかなく、市民は代わりに給水車から高額の水を購入するなど、不便な生活を強いられています。また、56%の給水栓から水質汚染の指標である大腸菌が検出されるなど、KUKLは安全な水の供給にも課題を抱えています。加えて、配水圧の管理も不十分であり、補助ポンプを使わずに蛇口から十分な水圧で水道水が出る給水栓は20%に満たないと言われています。このような状況に対してKUKLには市民の苦情も数多く寄せられていますが、クレーム対応が適切と回答した顧客は20%に過ぎず、顧客サービスの向上も必要となっています(注1)。

このような状況を改善するために、2001年より上水供給および衛生環境の改善を目的とした「メラムチ給水事業」(注2)が進められており、2018年内の完工が見込まれています。完工後は盆地外を流れるメラムチ川からの17万立方メートル/日の導水によりKUKLの給水量を約2倍に増加させることが可能となります。
JICAは「メラムチ給水事業」完工に合わせて、カトマンズ市民から強く要望されている水道サービスの改善、KUKLに対する信頼の向上を目指し、KUKLの水道事業運営能力の強化に取り組みます。加えて、2003年から継続して個別専門家を上下水道省に派遣し、ネパール上水道セクターの開発政策・戦略に沿った協力を推進しています。
これらの事業を通じて、持続可能な開発目標(SDGs)及びネパールの国家目標である給水栓における水質の改善等の達成に向けて、水道サービスの向上を支援していきます。

【案件基礎情報】
国名 ネパール連邦民主共和国
案件名 カトマンズ盆地水道公社水道サービス向上プロジェクト
実施予定期間 2018年8月~2023年8月
実施機関 カトマンズ盆地水道公社
対象地域 カトマンズ盆地
具体的事業内容(予定) 水道サービス改善に向けた「地理情報システム(GIS)を用いた配水管理」「無収水削減対策」「浄水場の維持管理及び水質管理」、顧客サービス改善に向けた「苦情対応」「啓発活動」に関する能力強化、及びこれらの成果がKUKL内で普及・継承されるように「内部研修」に関する能力強化を図る。

(注1)出典:JICA、Town Water Supply Service Providers Capacity Assessment and Benchmarking、2017
(注2)アジア開発銀行との協調融資事業

関連リンク: