ラオス向け無償資金贈与契約の締結:首都及び地方の拠点病院の整備により、質の高い医療サービスの提供とUHC達成に貢献

2018年2月15日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、2月15日、ラオス人民民主共和国の首都ビエンチャンにて、同国政府との間で、「セタティラート病院及びチャンパサック県病院整備計画」を対象として19億4,000万円を限度とする無償資金協力の贈与契約(Grant Agreement: G/A)を締結しました。

本事業は、首都ビエンチャンにあるセタティラート病院の施設・機材と、ラオス南部の拠点病院であるチャンパサック県病院の機材を整備することにより、両病院における医療サービスの質の向上と、医師・看護師の研修環境の改善を図るものです。

ラオス政府は、2025年までのユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)(注1)の達成を目標とし、医療サービスの提供体制の改善に取り組んでいます。しかしながら、ラオスは、人間開発指数(注2)が188カ国中138位と低く、特にラオス南部は、貧困率が高く医療サービスの提供体制が不十分であるため、保健指標が国内でも低い地域となっています。両病院は、地域の拠点病院として、医療サービスの提供とともに医師・看護師の育成における中核的役割を期待されていますが、機材の老朽化や不足により、増大・高度化する患者のニーズや人材育成のニーズに対し、十分に応えられていないのが実状です。

本事業により施設・機材が整備されることで、セタティラート病院では外来患者数が約19%、画像診断件数が約30%、チャンパサック県病院では画像診断件数が約11%増加することが見込まれます。また、両病院の研修環境が改善し、教育拠点病院としてより実践的な臨床実習が可能になることが期待されます。

JICAは、本案件に加え、保健行政の機能強化や医療従事者の知識・技術向上のための技術協力を行っており、ラオスのUHC達成を包括的に支援しています。


(注1)ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC):すべての人が、適切な健康増進、予防、治療、機能回復に関するサービスを、支払い可能な費用で受けられること。2017年12月には東京で「UHCフォーラム2017」が開催され、2030年までのUHC達成に向けたコミットメントとして「UHC東京宣言」を採択。
(注2)人間開発指数:国の社会の豊かさや進歩の度合いをはかる包括的な経済社会指標として国連開発計画が設定した数値。

【案件基礎情報】
国名 ラオス人民民主共和国
案件名 セタティラート病院及びチャンパサック県病院整備計画(The Project for the Improvement of Setthathirath Hospital and Champasak Provincial Hospital)
実施予定期間 60ヵ月(詳細設計・入札期間含む)
実施機関 保健省
対象地域 ビエンチャン特別市及びチャンパサック県
具体的事業内容(予定) (1)施設整備/機材調達
【施設】(セタティラート病院のみ)
新棟1棟の建設(救急、画像診断、小児科、内科、神経科等の外来診療部門、事務・管理部門用)、既存棟の手術室の増設
【機材】(セタティラート病院105品目、チャンパサック県病院12品目)
CT、超音波診断装置、X線撮影装置等
(2)コンサルティング・サービス
詳細設計、施工・調達監理、(ソフトコンポーネントとして)医療機材の登録・管理方法に関する指導