中米統合機構を通じた技術協力プロジェクト実施に向けた協議議事録の署名:中米・カリブ地域の持続的な生物多様性保全の推進に貢献

2018年2月23日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、2月16日、ドミニカ共和国・サントドミンゴにて、中米統合機構(Sistema de la Integracion Centroamericana、以下、「SICA」)(注1)中米環境開発委員会(Comisión Centroamericana de Ambiente y Desarrollo、以下、「CCAD」)加盟8ヵ国との間で、技術協力プロジェクト「SICA地域における持続的な生物多様性の利用と保全に関する戦略的能力強化プロジェクト」の概要に関する協議議事録(Minutes of Meetings: M/M)に署名しました。(注2)

本事業は、中南米地域の地域国際機関の枠組みを対象とした初の技術協力プロジェクトとして、SICA-CCAD加盟8カ国の生物多様性保全に関する能力を強化することにより、中米・カリブ地域の持続的な生物多様性保全の推進を目指すものです。

中米・カリブ地域に位置し、陸地面積では世界の約1パーセントに過ぎないSICA加盟国には、動植物の種類では地球上の8パーセントが生息するなど、世界有数の生物多様性が豊かな地域です。しかし、現在、その生態系が失われつつあり、「生物多様性ホットスポット」(注3)にも指定されています。JICAはこれまで、SICA加盟各国との間で生物多様性保全を含めた自然環境保全分野の二国間協力を実施してきましたが、多くの動植物が生息する森林、湿地、河川、海洋などの生態系は国境を超えて存在しており、地域としての保全に取り組む必要があります。このため、今般、SICA側から、具体的な地域プロジェクトの実施に対する協力要請が日本政府に対してなされました。

中南米地域の地域国際機関の枠組みを通じた初の地域技術協力プロジェクトとなる本事業では、SICA-CCADと連携し、これまでの二国間協力で培った成果や信頼関係を基盤に、中米・カリブ地域の貴重な生物多様性が持続的に保全されるよう、地域全体の生物多様性保全の状況を一元的に把握できる情報システムの構築、生物多様性保全と地域経済開発との両立を探るビジネスモデルの検討・普及、域内の知見の共有や関係者の能力強化に取り組みます。

(注1)地域の経済社会統合を図り、平和・自由・民主主義・開発を達成させることを目的に、1991年に署名された中米機構憲章改定議定書により設立。加盟国は、エルサルバドル、グアテマラ、コスタリカ、ニカラグア、パナマ、ベリーズ、ホンジュラス、ドミニカ共和国の8ヵ国。なお、環境、物流、ジェンダーなどの専門分野に関しては、分野毎の委員会等で加盟国が異なる場合がある(CCADに関しては、全8ヵ国が加盟)。

(注2) 今後、SICA-CCADとの間でプロジェクト実施に関する討議議事録(Record of Discussions: R/D)を署名し、プロジェクトを開始予定。

(注3)国際NGOのコンサベーション・インターナショナルが指定している、多様な固有の生物が住む生物多様性が豊かな場所でありながら、その生態系が破壊の危機に瀕している地域。2017年時点で、世界の36か所が選定されており、日本もその一つとなっている。

【案件基礎情報】
国名 SICA-CCAD加盟8ヵ国(エルサルバドル、グアテマラ、コスタリカ、ニカラグア、パナマ、ベリーズ、ホンジュラス、ドミニカ共和国)
案件名 SICA地域における持続的な生物多様性の利用と保全に関する戦略的能力強化プロジェクト
実施予定期間 2018年10月~2023年10月
実施機関 SICA-CCAD加盟8ヵ国環境省
対象地域 SICA-CCAD加盟8ヵ国
具体的事業内容(予定) 地域生物多様性情報プラットフォーム構築、持続的な生物多様性保全と利用に関するパイロット活動、政策提言、加盟国関係者の能力強化