ケニア向け円借款貸付契約の調印:地熱発電所の改修によりケニアの電力供給安定化と経済活動活性化に貢献

2018年3月16日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、3月16日、ナイロビにて、ケニア共和国政府との間で、「オルカリアI一、二及び三号機地熱発電所改修事業」を対象として、100億7,700万円を限度とする円借款貸付契約(Loan Agreement: L/A)に調印しました。

本事業は、ケニア中部のナクル郡オルカリア地熱地帯において、既存のオルカリアI地熱発電所の1~3号機 (15MW x 3基)を、約51MW(約17MW x 3基)の地熱発電所へと改修するものです。

ケニアでは、堅調な経済成長や未電化地域の電化等により、電力需要は今後大幅に増加することが見込まれています。現在、電力供給の約36%を水力発電、約35%を火力発電に依っていますが(2017年)、干ばつなどの影響によって水力発電による電力供給は不安定となっています。また火力発電の燃料である石油の大部分を輸入に依存しているため、ケニア政府の経常収支の慢性的な赤字の一因となっています。このような中、ケニアには大規模な地熱発電のポテンシャルがあると推定されており、天候に左右されない安定的かつ環境負荷の低い発電方式として、地熱資源開発の優先度が高まっています。

本事業対象のオルカリアI地熱発電所の1~3号機は、日本企業が1980年代に建設した後30年以上が経過し、老朽化により、稼働率の低下、維持管理費の増加が深刻化している状態です。本事業では、今後、電力需要が増加する中で、既存の発電施設の供給能力を維持・増強することにより、電力供給の安定化に貢献することを目指しています。なお、地熱発電の利用により、同規模の火力発電所を稼動させた場合に比べて、大気汚染物質及びCO2の排出が大幅に抑制されることが見込まれます。

JICAはこれまで、ケニアの地熱資源開発に貢献するため「オルカリアI 4・5号機地熱発電事業」(2010年3月L/A調印、貸付限度額:295億1,600万円)、「オルカリアV地熱発電開発事業」(2016年3月L/A調印、貸付限度額:456億9,000万円)への円借款を供与してきました。加えて、オルカリア地熱発電地帯から大都市への安定的な電力供給を促すため、「オルカリア−レソス−キスム送電線建設事業」(2010年12月L/A調印、貸付限度額:124億1,000万円)に円借款を供与しています。

また、JICAは、技術協力として、地熱開発のための技術向上を目的とした「地熱開発のための能力向上プロジェクト」(2013年9月~2019年2月)を実施しています。更に、2016年1月からは電力分野における民間資本の参入を促進するためのアドバイザーも派遣しており、JICAは、ソフト面、ハード面の両面から、ケニアの電力供給の安定化を支援しています。

1.借款金額及び条件

案件名 借款金額
(百万円)
金利(%/年) 償還期間
(年)
据置期間
(年)
調達条件
本体 コンサルティング・サービス
オルカリアI一、二及び三号機地熱発電所改修事業(Olkaria I Units 1, 2 and 3 Geothermal Power Plant Rehabilitation Project) 10,077 1.00 (※1) 30 10 一般 アンタイド

(※1) 今次円借款の対象外。

2.事業実施機関
ケニア発電公社(Kenya Electricity Generating Company Limited)、
住所:Stima Plaza, Phase III, Kolobot Road, Parklands, P.O. Box 47936-00100 GPO, Nairobi, Kenya
TEL:+254-20-3666000、Fax:+254-20-2248848

3.今後の事業実施スケジュール(予定)
(1) 事業の完成予定時期:2021年12月(施設供用開始時をもって事業完成)
(2) コンサルティング・サービス(概略設計等):実施機関により雇用済み
(3) 本体工事に係る国際競争入札による最初の調達パッケージの入札公示:
調達パッケージ名:地熱発電所の改修パッケージ(Rehabilitation of Steam Field and Power Plant)
予定時期:2018年5月