ベトナム「コーヒーバリューチェーン強化事業」に対する融資契約の調印 初のADBとの民間セクター向け協調融資により、包摂的・持続的な農業に貢献

2018年3月29日

国際協力機構(以下「JICA」)は、3月28日、シンガポールの農産物事業会社Olam International Limited(以下「オラム社」)の子会社である、ベトナムのコーヒー加工会社Café Outspan Vietnam Limited(以下「カフェアウトスパン社」)との間で、コーヒーバリューチェーン強化事業に対する75百万ドルの融資契約を調印しました。本事業はアジア開発銀行(以下「ADB」)との協調融資であり、ADBも同日、カフェアウトスパン社及びオラム社との間で総額88百万ドルの融資契約を調印しました。

「カフェアウトスパン社コーヒー加工工場」(オラム社提供)

JICAとADBの融資により、オラム社はベトナムの他、インドネシア、パプアニューギニア、東ティモールの最大2万人の小規模農家に裨益する、包摂的・持続的な農業バリューチェーンの構築を行います。このうちJICAの融資は、ベトナムにおいて、コーヒー加工工場の拡張等に使用され、コーヒーバリューチェーンの強化を通じた同国の持続的な農業開発及び産業の高度化の推進に寄与します。



「ベトナムのコーヒー農家」(オラム社提供)

ベトナムでは、農業が経済・社会の基盤として重要な役割を果たしています。農村人口は全人口の66%を占め、なかでも保有農地面積0.5ha以下の小規模農家が約7割を占めます。コーヒー生産量においては、ブラジルに次ぐ世界第2位のシェア約17%を誇り、とりわけインスタントコーヒーに適したロブスタ種では世界第1位の生産国です。本事業は、ベトナム政府が工業国化に向けた戦略産業の一つに位置付ける農産品加工業の高度化と、小規模農家の営農支援を通じた貧困削減を図るものであり、SDGsゴール2(持続可能な農業)及びゴール9(包摂的で持続可能な産業)に貢献するものです。

オラム社は、世界70ヵ国で事業を展開し約430万の小規模農家を取引先に持つ農産物事業会社であり、持続可能な農業の推進を基本戦略に掲げ、19ヵ国・30万人以上の小規模農家に対して営農指導や認証取得等の支援を行っています。2015年からは、三菱商事が20%を出資し経営に参画しています。

本事業は、ADBとJICAの初の民間セクター向け協調融資(LEAPファンド(注)への出資を除く)です。また、海外投融資再開後、JICA初の農業関連企業に対する融資となります。今後もJICAは、国際金融機関との連携を推進し、民間企業による開発途上国の経済社会開発に積極的に取り組んでまいります。

(注) ADBが設立した信託基金「アジア及び大洋州地域における民間によるインフラ整備を支援するための信託基金(”Leading Asia’s Private Infrastructure Fund”: LEAP)。