エチオピア向け無償資金贈与契約の締結:カイゼン普及のための研修施設整備により製造業等の産業人材育成に貢献

2018年4月2日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、3月30日、アディスアベバにて、エチオピア連邦民主共和国政府との間で、「TICAD産業人材育成センター建設計画」を対象として29億3,100万円を限度とする無償資金協力の贈与契約(Grant Agreement: G/A)を締結しました。

本事業は、エチオピアカイゼン機構(Ethiopian Kaizen Institute: EKI)の施設の一部として、「カイゼン(日本的な品質・生産性向上の理念と手法)」普及のための人材育成を行うための研修施設の整備及び機材調達を行うものです。

エチオピア政府は、産業競争力を強化するため、従来の農業中心の経済から工業を軸とした経済構造へシフトすべく、軽工業を中心とした製造業の振興に取り組んでいます。その方策の一つとして、2009年から、日本の製造業の現場で発展をとげたカイゼンを取り入れ、2011年には中央政府機関としてエチオピアカイゼン機構を設立し、カイゼンの普及・実践のための人材育成に力を入れています。JICAはこれまで技術協力「品質・生産性向上、競争力強化のためのカイゼン実施促進能力向上プロジェクト」等によって、エチオピアカイゼン機構の組織体制やカイゼン指導能力の強化に協力してきました。同協力のもと、エチオピアカイゼン機構は同国内の民間企業を対象に、カイゼン導入のための研修等を実施してきました。

エチオピア政府は、エチオピアカイゼン機構がアフリカを代表するカイゼン実施機関となることも目指し、職員を大幅に増加させるなど、機能強化を図っています。しかし、エチオピアカイゼン機構の既存施設は研修施設としてのスペースや機材を持っていないことから、研修を外部で実施せざるを得ないのが現状です。研修対象の組織や企業にエチオピアカイゼン機構の講師が出向いて研修を実施しているため、対象がアディスアベバ市周辺にとどまり、カイゼンの全国普及に大きな障害となっています。そのため、地方の人材への研修も実施可能な宿泊施設も備えた施設や機材の整備が急務となっています。

本事業では、研修・管理事務棟や宿泊棟を整備するとともに、研修用機材を調達します。これにより、エチオピアカイゼン機構の年間カイゼン研修受講者は、現在の1.7倍以上となる50,000人以上となることが見込まれます。なお、本事業は2013年の第5回アフリカ開発会議(TICAD V)で日本政府が表明した「TICAD産業人材育成センター」の設立を具体化する協力であるとともに、第6回アフリカ開発会議(TCAD VI)での公約である「アフリカ全土での3万人の産業人材育成」および「カイゼン・イニシアティブによる生産性3割向上」にも資するものです。

【案件基礎情報】
国名 エチオピア連邦民主共和国
案件名 TICAD産業人材育成センター建設計画(The Project for the Construction of TICAD Human Resource Development Center for Business and Industry)
実施予定期間 42ヵ月(詳細設計・入札期間含む)
実施機関 エチオピアカイゼン機構
対象地域・施設 アディスアベバ市・エチオピアカイゼン機構
具体的事業内容(予定) ① 施設整備/機材調達
【施設】研修・管理事務棟(延床面積5,516平方メートル)、宿泊棟(延床面積2,979平方メートル)
【機材】研修用機材(展示用モニター、TV会議システム、机、椅子)等一式
② コンサルティング・サービス
詳細設計、入札補助、施工監理
(ソフトコンポーネントとして)研修施設の運営維持管理体制・計画策定の技術指導