三井物産、ETGと覚書を締結:アフリカの小規模農家の生計向上を支援

2018年5月7日

日アフリカ官民経済フォーラムにおける式典の様子

国際協力機構(JICA)は、5月3日、アフリカ地域における持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けて、三井物産株式会社(三井物産)、ETC Group(ETG社)と協力覚書(MOC: Memorandum of Cooperation)を締結しました。署名は同日、南アフリカ共和国で開催された「日アフリカ官民経済フォーラム」にて、加藤宏JICA理事、田中聡三井物産副社長、Birju Patel ETG社副社長との間で行われました。

世界の労働者人口の4分の1は農業従事者で、そのうち85パーセントが、所有する土地が2ヘクタール未満の小規模農家であり(注1)、それらの農家の多くは依然として貧困状態にあります。
そのような中、JICAは、ケニア政府と共同で、「作って売る(Grow and Sell)」から「売るために作る(Grow to Sell)」への農家の意識変革を促す農業普及手法である「SHEP(Smallholder Horticulture Empowerment and Promotion)」(注2)を開発し、小規模農家による「儲かる農業」の実践に向けて、アフリカ各国の政府とともに、SHEPの導入を通じた農業普及サービスの向上に努めてきました。
しかし、小規模農家の支援ニーズは膨大で、途上国政府の予算とODAの支援のみでは一向に足りません(注3)。そこで、農民の所得向上に配慮したビジネスの一環、或いは企業の社会的責任(CSR)として小規模農家に技術支援を行っている民間セクターとの連携強化が求められています。

このような背景のもと、JICAは、農家の自立・成長を目的として東アフリカ・環インド洋地域を中心に農産物取引、農業資材販売、食品製造販売を広く展開しているETG社(注4)及び同社への出資参画を通じて同地域での食農分野での事業拡大を目指す三井物産と連携の上、アフリカ地域小規模農家の生計向上を目指します。

具体的には、JICAがSHEPのノウハウを提供し、ETG社はそれらを活用して生産意欲及び栽培技術を高める支援を小規模農家に提供し、生産された高品質な農産物を買い取る計画になります。既にマラウイで連携活動の内容について話し合いを進めており、今後順次拡大していく予定です。


(注1)数値の出典:世界食料農業白書2014年報告、ILO(国際労働機関)2017年11月統計データベース

(注2)SHEPアプローチ:経済学(情報の非対称性)と心理学(自己決定理論)を応用した農業普及手法。農家の営農へのモチベーションを高めながら、栽培スキルや営農スキルを高める仕掛けが組み込まれている。2013年に開催された第5回アフリカ開発会議(TICAD V)において、今後のアフリカにおける農業分野の貢献策のひとつとして打ち出された。


(注3)政府農業普及員から農業情報を得られている小規模農家は5%。(FAO、2014)

(注4)ETG社は1967年に設立され、本社はドバイに所在。三井物産が、2017年に約300億円の出資参画を発表し、持ち株比率は約30%。三井物産のグローバルなネットワークを活用したETG社の企業価値向上と共に、アフリカ及び環インド洋経済圏における三井物産の収益基盤の強化を目指す。