WHO「母子の健康に関わる家庭用記録に関するガイドライン」完成~母子手帳の経験を踏まえJICAが策定に貢献~

2018年9月13日

9月13日、世界保健機関(WHO)より、「母子の健康に関わる家庭用記録に関するガイドライン(WHO recommendations on home-based records for maternal, newborn and child health)」が公表されました。同ガイドラインは、国際協力機構(JICA)がWHOに働きかけを行い、策定に協力してきたものです。

「母子の健康に関わる家庭用記録」の代表例が、日本の母子健康手帳(母子手帳)です。日本では、同手帳を戦後間もない1948年に世界に先駆けて導入し、母子の健康改善に大きく貢献したとされています。

世界では、日本の母子手帳のように母子の記録が一体となった手帳(母子手帳)、妊娠・出産に限った妊産婦ケア記録(妊婦手帳)、子どものみを対象とした手帳(子ども手帳)、子どもの予防接種のみを記録するカードなど、様々なものが活用されています。同ガイドラインでは、それらを総称して「母子の健康に関わる家庭用記録」とし、科学的な研究・分析をもとに、その効果(注1)を評価しており、今後、世界のすべての国で活用していくことを推奨しています。

同ガイドラインの策定に際し、JICAからは、相賀裕嗣専門員や尾崎敬子専門員がガイドライン策定技術会合へ外部パートナーとして出席した他、萩原明子専門員がリソースパーソンとしてインタビューを受けるなど、開発途上国の現場で蓄積してきた母子手帳の普及・活用に関する知見を共有してきました。また、「インドネシアにおける母子健康手帳クラスターランダム化比較試験」(注2)の結果が、母子手帳の活用効果を科学的に証明した研究事例の一つとして、ガイドラインに採用されています。なお、日本からはJICAのほか、国立成育医療センターの森臨太郎政策科学研究部長が、ガイドライン策定技術会合メンバーとして参画されました。

今後本ガイドラインに沿って、母子手帳をはじめとする母子の健康に関わる家庭用記録が、より多くの国で導入されることが期待されます。JICAはこうした動きを促進すべく、各国のニーズに応じた協力を続けていきます。

(注1) 母子の医療サービス利用の促進、男性の育児への参画、新生児や子どもの栄養改善、医療従事者と母親間のコミュニケーションの改善に資するものであるとされている

(注2)インドネシアジャワ島地方部における母子手帳と母子保健のサービスの継続的な受療・家庭でのケア(妊娠・出産・小児栄養)を分析し、母子手帳の効果を検証したもの

公表されたガイドライン(英語)(外部サイト)