ベトナム向け技術協力プロジェクト討議議事録の署名:明日を担う次世代リーダーの育成を支援

2018年9月20日

国際協力機構(JICA)は、9月20日、ハノイにて、ベトナム社会主義共和国政府との間で、技術協力プロジェクト「戦略的幹部研修プロジェクト」に関する討議議事録(Record of Discussions: R/D)に署名しました。

本案件は、ベトナムの共産党・政府の幹部及び幹部候補生を対象とした人材育成プログラムの一環として、短中期の研修を行うものです(注)。5年間で500名を日本に招き、公共政策、経済、公務員倫理等に関連する研修や、日本側関係者(政府、経済界、学界)との意見交換を通じ、ベトナムの行政改革を担う次世代リーダー育成を支援します。

ベトナムは、1986年からドイモイ(刷新)政策を進め、市場経済化や対外開放政策に伴い経済は著しく発展しました。一方で、国家機関は肥大化し、政府の非効率で複雑な業務所掌や汚職など、経済の高度化・多角化に行政システムが対応できていません。2016年に発足した新政権及び共産党指導部は、行政改革を喫緊の課題に位置づけ、党及び国家機関の人事・人材育成・組織運営を所管する共産党中央組織委員会が中心となり、行政改革を進めています。

こうした改革イニシアティブを効果的かつ実効性のあるものとするには、諸外国の知見も踏まえつつ、ベトナムの実情に合わせた改革を推進する次世代リーダーの育成が求められています。
JICAは、「ホーチミン国家政治学院および行政学院公務員研修実施能力強化支援プロジェクト」(2013年-16年)を通じて、国家指導者候補者511名に現地研修、113名に訪日研修を実施しました。2016年に行われた第12回共産党大会では、党中央委員(大臣級に相当)に選出された200名(正規委員180名、補欠委員20名)の内、33名(全体の17%)が同プロジェクトの研修参加者が占める結果となりました。質の高い人材育成に貢献してきたことが評価され、同プロジェクトは第12回(2016年度)JICA理事長表彰を受賞しています。

本案件は、こうしたこれまでの協力の成果を踏まえ、ベトナム政府首脳からの要請に応える形で、ベトナムの行政改革・経済成長を主導する将来の幹部人材の育成に貢献することを目的に実施するものです。本案件により、ベトナムの行政改革や新しい社会経済モデルの構築を担う次世代リーダーが育成されることに加え、日本とベトナムの産官学における人的ネットワークが強化され、両国の関係強化に寄与することが期待されます。

(注)人材育成プログラムとしては、短中期の研修の他、博士・修士課程留学生プログラムも実施。

【案件基礎情報】
国名 ベトナム社会主義共和国
案件名 戦略的幹部研修プロジェクト
実施予定期間 2019年4月~2024年3月
実施機関 ベトナム共産党中央組織委員会
対象地域 ベトナム全土
具体的事業内容(予定) 公共政策、経済、公務員倫理等に関連する研修を5年間で500名に対して本邦にて実施し、日本側関係者(政府、経済界、学界)との意見交換・ネットワーク形成を通じ、行政改革の推進及び新しい社会経済モデルの構築のために必要なベトナムの次世代リーダーを育成を支援する。