ブルンジ向け無償資金贈与契約の締結:母子手帳活用のガイドライン策定や、産科・新生児ケア研修を通し、50万人の母子の命と健康を守ることに貢献

2018年10月3日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、10月2日、国際連合児童基金(UNICEF)との間で、「ブルンジ四県における母子保健サービス強化計画(UNICEF連携)」を対象として3億8,300万円を限度とする無償資金協力の贈与契約(Grant Agreement: G/A)を締結しました。

本事業は、産科・新生児ケアに関する①一次的医療施設の資機材整備及びコミュニティへの医薬品調達、②医療従事者等への研修、③医療施設への母子手帳の導入を通じて、ブルンジの地方部4県における母子保健サービスを強化するものです。
UNICEFと連携することにより、医療施設のみならず、コミュニティレベルでの母子保健サービスの強化が可能となり、妊産婦死亡率の更なら低減が期待されます。

ブルンジは、内戦からの復興段階にあり、医療施設の資機材・医薬品及び医療従事者の基礎的な知識や能力が不足しています。特に、産前産後の妊産婦の検診受診率が低く、妊産婦死亡率及び5歳未満児死亡率はサブサハラアフリカの平均を下回っています。また、出生証明書がないために無料診療を受けられない5歳未満児も多く、同国の効率的な出生登録システムの運用が課題です。

JICAはこれまでに、ブルンジの一部の県において、医療従事者を対象とした基礎的産科・新生児ケア研修の実施や、母子手帳の普及を通じて、妊産婦死亡率の低下に貢献してきました。本事業において、これまでの協力の成果を地方部4県へ展開することで、母子保健サービスを強化し、その結果として新たに約10万人の妊産婦と約40万人の5歳未満児が裨益することが期待されます。また、母子手帳には出生証明書が含まれているため、出生登録システムの運用改善にも寄与します。

署名式後に行われた式典では、ブルンジ保健省大臣補佐官より、「JICAがこれまで実施してきた母子保健の取り組みを高く評価しており、本事業においてその手法が活用され、ブルンジの母子保健をとりまく状況がさらに向上することを期待している。」との発言があり、今後のブルンジにおける母子保健サービス強化への期待が寄せられました。

【案件基礎情報】
国名 ブルンジ共和国
案件名 ブルンジ四県における母子保健サービス強化計画(UNICEF連携)(The Project for the Reinforcement of Maternal and Child Health Services in Four Provinces of Burundi)
実施予定期間 30ヵ月
実施機関 国際連合児童基金(UNICEF)
対象地域・施設 4県(チャンクーゾ県、キルンド県、ンゴジ県及びルタナ県)
具体的事業内容(予定) (1)工事、調達機器等
・一次的医療施設(保健センター)の資機材の整備
・母子手帳25万部の印刷・配布
・コミュニティへの医薬品配布
(2)ソフトコンポーネント
・医療従事者及び行政関係者への基礎産科・新生児ケア研修
・医療従事者への基礎緊急産科・新生児ケア研修
・医療従事者及び行政関係者への5S-KAIZEN導入研修
・コミュニティヘルスワーカーを対象とした産科・新生児ケア研修
・医療従事者及び行政関係者への母子手帳に関する研修