第7回アフリカ開発会議(TICAD7)開催記念 TICAD債発行(予定)のお知らせ

2019年7月19日

独立行政法人国際協力機構(JICA)(理事長:北岡伸一)は、2019年8月末の第7回アフリカ開発会議(TICAD7)にあわせ、2019年9月にアフリカ諸国の社会開発のための機関投資家向け債券「TICAD債」を初めて発行する予定です。本債券はJICAが定期的に発行している国際協力機構債券(国内財投機関債)(以下、JICA債)の基本的な仕組みを維持しつつ、調達資金をアフリカ支援に充当するものです。

JICAは、途上国の持続的な開発を支援するための資金調達の一環として、2008年より債券発行を開始し、国内初の「ソーシャルボンド」(注1)発行体として継続的に発行しています。本債券についても、これまでと同様に「ソーシャルボンド」の特性に従った債券として、第三者機関よりセカンド・オピニオンの取得を予定しています(注2)。また、JICA債は、日本政府の「持続可能な開発目標(SDGs)実施指針」(2016年12月)にて、ゴール17「グローバル・パートナーシップの活性化」を達成する具体的施策の一つに挙げられており(注3)、国内の民間資金を開発途上国のために動員する媒介となることを通じて、グローバル・パートナーシップの強化につながることが期待されています。

従来のJICA債では、調達資金の充当先をJICAが実施する有償資金協力事業全般としていましたが、TICAD債にて調達された資金は、有償資金協力事業のうち、アフリカ諸国における道路、上水道、電力インフラの整備や教育分野等の支援に充当される予定です。また、対象事業の開発インパクトも後日公表する予定です。

近年、資本市場においては資金調達面で環境・社会課題の解決を支援するグリーンファイナンスやソーシャルファイナンスの取り組みが拡大しています。今回のTICAD債の発行を通じてTICADやアフリカ開発への関心を高め、ひいては国内資本市場の更なる発展・拡大や、SDGsの達成に寄与することを目指します。


(注1)「ソーシャルボンド」は、社会課題への対応を目的とした事業を資金使途とする債券で、国際資本市場協会(International Capital Market Association:ICMA)がその定義(社会開発に資する事業を対象とし、「資金使途」「事業評価・選定プロセス」「資金管理」「レポーティング」についての情報開示を要件とする)をソーシャルボンド原則(The Social Bond Principles, SBP)として公表している。JICAは2016年より継続的に「ソーシャルボンド」を発行している。

(注2)セカンド・オピニオン発行者:株式会社日本総合研究所(予定)

(注3)内閣に設置された持続可能な開発目標(SDGs)推進本部(本部長:内閣総理大臣)が決定した「持続可能な開発目標(SDGs)実施指針」においては「ESG投資、社会貢献債等の民間セクターにおける持続可能性に配慮した取組は、環境、社会、ガバナンス、人権といった分野での公的課題の解決に民間セクターが積極的に関与する上で重要であるのみならず、こうした分野での取組を重視しつつあるグローバルな投資家の評価基準に対し、日本企業が遅れをとらずに国際的な市場における地位を維持するためにも極めて重要である。」とされており、日本政府は、このための環境づくりに向けた施策を進めるとともに、民間企業の取組を後押しすることとなっている。こうした背景の下、JICAによる社会貢献債の発行は、「持続可能な開発目標(SDGs)を達成するための具体的施策(付表)」(2016年12月22日決定)において、我が国におけるSDGs達成(ゴール17「グローバル・パートナーシップの活性化」のための具体的施策の一つとなっている。

(担当)
財務部 市場資金課
(TEL: 03-5226-9279)

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