I&P Afrique Entrepreneurs II LPに対する出資-インパクト投資ファンドへの出資を通じてサブサハラ・アフリカ地域における中小企業の成長を支援-

2019年9月2日

調印式の様子

 

投資先の例:医薬品メーカー(© Béchir Malum)

国際協力機構(JICA)は、8月30日、I&P Afrique Entrepreneurs II LPとの間で、7百万ユーロの出資契約に調印しました。本件は、仏語圏を中心とするサブサハラ・アフリカ地域においてインパクト投資(*)を行うファンドへの出資を通じて、中小企業への投資及び技術支援を行うことにより、産業の多角化及び雇用創出を図り、同地域の国々の安定的な経済成長に寄与するものです。

サブサハラ・アフリカ地域の多くの国は一次産品への経済依存度が高く、産業の多角化及び安定的な雇用創出が課題であり、同地域のGDPの3割強及び雇用の4割強を占める中小企業の育成が急務となっています。同地域の中小企業向け投資はカントリーリスクや個々の事業リスクが高く、高い投資リターンを求める民間投資家には困難なため、本ファンドには欧州投資銀行(EIB)や国際金融公社(IFC)、仏海外経済協力振興会社(Proparco)等開発金融機関が既に出資参画しています。JICAも他の開発機関と協調し、事業リスクの補完に取り組みます。

I&P Afrique Entrepreneurs II LPを設立・運営するI&Pは、アフリカ6か国に現地オフィスを有し、サブサハラ・アフリカ地域を対象としたESG・インパクト投資ファンド事業に先導的に取り組んでいます。同地域において、農業、保健、建設業、ICT、教育、再生エネルギー等多様な分野の中小企業に投資しており、企業の成長支援に加え、労働環境の改善、ジェンダー推進、環境への配慮等にも取り組んでいます。

JICAは、本ファンドを通じて現地の民間セクターや中小企業の実態を把握し、日系企業へ還元することで、日系企業による同地域の投資環境の理解が促進されることも期待されます。

JICAはこれまで、「カイゼン」を活用した技術協力を通じて、現地中小企業の育成を重点的に支援してきました。今後もこの分野において民間企業の先駆的な取り組みへ幅広い支援を継続していきます。

(*)インパクト投資:社会的事業を行う企業、組織、ファンドへ投資することにより、社会的成果と財務的リターンの両立を目指す投資


<事業スキーム図>

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