ラオス向け無償資金贈与契約の締結:上水道施設の拡張を通じた安定的な水の供給により都市環境整備に貢献

2019年10月11日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、10月10日、ビエンチャンにて、ラオス人民民主共和国政府との間で、「ルアンパバーン上水道拡張計画」を対象として19億2,200万円を限度とする無償資金協力の贈与契約(Grant Agreement: G/A)を締結しました。

本事業は、世界遺産を有するラオス北部のルアンパバーン市において、上水道施設の拡張を行い、同市の安全で安定的な水の供給に寄与するものです。

同市はラオス有数の観光都市であり、観光客数は年々増加しています。しかしながら、既存の浄水場は、施設能力の不足により、過負荷運転を余儀なくされています。また、既存の配給水管網の老朽化により、漏水率が27.2%(2017年)と高く、今後も増加が見込まれる給水需要への対応が困難であり、上水道施設の拡張による安全で安定的な水の供給が喫緊の課題となっています。

本事業により、ルアンパバーン市において、既存の浄水場施設が拡張され、施設の過負荷運転が解消されます。また、老朽化した配給水管網が更新されることにより、漏水が多発する区間が解消されます。これらにより、持続可能な都市環境整備に貢献することが期待されます。

JICAは、本事業に加え、技術協力プロジェクト「水道事業運営管理能力向上プロジェクト」及び草の根技術協力「水道公社における上水道管路維持管理能力向上支援事業」等を実施しており、今後も同国の水環境整備を包括的に支援します。

なお、本事業の詳細設計のため、2018年3月に、9,700万円を限度とする無償資金協力の贈与契約を締結済です。

【案件基礎情報】
国名 ラオス人民民主共和国
案件名 ルアンパバーン市上水道拡張計画(The Project for the Expansion of Water Supply System in Luang Prabang City)
実施予定期間 50ヵ月(入札期間含む)
実施機関 ルアンパバーン県公共事業運輸局、ルアンパバーン県水道公社
対象地域・施設 ルアンパバーン県ルアンパバーン市
具体的事業内容(予定) 【施設】
ナムカン浄水場(取水施設の更新:計13,200 m3/日、浄水施設の新設・更新:6,000m3/日、送水施設の更新:計12,000m3/日、排水処理施設の新設、電気設備の整備)、配水管の延長:約60km、消火栓の新設:45基、給水管の切替:約2,400箇所、送水管の延長:約5km、配水池の新設:1,500m3 、モニタリングシステムの新設の整備。
【コンサルティング・サービス】
詳細設計、入札補助、施工監理、(ソフトコンポーネントとして)ルアンパバーン県水道公社の関係職員に対する浄水場運転維持管理、配水管理の指導。