熊本県と連携協定を締結-地方創生や外国人材受入に貢献する人材の育成に向けた協力強化-

2019年10月9日

署名式の様子(左:JICA北岡理事長、中央:熊本県蒲島知事、右:熊本県立大学白石理事長)

国際協力機構(JICA)は、10月9日、熊本県と連携協定を締結しました。署名は、熊本県庁にて、蒲島郁夫熊本県知事と北岡伸一JICA理事長との間で行われ、署名式には熊本県立大学の白石隆理事長も立ち会いました。

本年4月の出入国管理及び難民認定法の改正等により「第二、あるいは第三の開国」とも言われる時代を迎え、グローバルな視野を持ちつつ地域の産業振興や多文化共生に貢献する人材の育成が求められています。今回の連携協定は、熊本県の地域振興のために、JICA海外協力隊として開発途上国での活動経験と、熊本県内での高等教育・インターン経験を兼ね備えた人材の育成等に向けて、JICAと熊本県との協力関係を強化するものです。

主な連携内容は以下のとおりです。

【連携協定の主な内容】
(1)県の発展に貢献する人材を育成するためJICA海外協力隊帰国者の県内
での就学及び就業の促進
(2)開発途上地域からの技術研修員等の受入れ、同地域への技術協力専門家の派遣
(3)県内企業の海外展開支援等
(4)多文化共生促進

中でも上記(1)を推進するため、熊本県立大学との連携を通じ、同大学大学院のプログラムにおけるJICA海外協力隊の帰国者の積極的な受け入れや、JICA海外協力隊としての途上国活動をプログラムに組み込んだ大学院教育の検討等が今後予定されています。

更に、上記を通じて育成する人材の就業環境整備の一環として、県内企業等での実践的なインターンシップを行います。本インターンシップを通じ、熊本県の地域社会の抱える課題を理解しつつ、その魅力やポテンシャルを実感し、地域の人々との「ご縁」を持つことにより、県内での就業機会につながることが期待されます。

JICAは、従来から熊本県と共に取り組んできた、草の根技術協力事業や中小企業などの海外展開支援に加え、上記のとおりJICA海外協力隊事業を活用した、県の地方創生と多文化共生社会実現に向けた人材育成に取り組むことにより、熊本県の地域課題の解決や経済社会の発展、開発途上国との関係強化の促進に貢献していきます。

(注)熊本県内の外国人増加率は2017(平成29)年16.64%(全国1位)、2018(平成30)年14.17%(全国3位)、外国人労働者数は10,155人(2018年10 月末時点)となっています。