ベトナム向け技術協力プロジェクトにおける緊急支援:新型コロナウイルス感染対策として国立衛生疫学研究所へ検査試薬を提供

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2020年2月10日

引渡式の様子。左からJICAベトナム事務所小中所長、NIHEダン・ドゥック・アイン所長

国際協力機構(JICA)は、ベトナムにおける新型コロナウイルスによる感染対策として、現在実施中の技術協力プロジェクト「感染症の予防・対応能力向上のための実験室の機能及び連携強化プロジェクト」において、国立衛生疫学研究所(NIHE)に対し、新型コロナウイルス同定の検査に用いる試薬(総額1,400万円相当)を提供します。2月7日、その一部(230万円相当)を引き渡しました。

NIHEは、ベトナム保健省から、北部地域の患者の確定診断を行う唯一の機関(ベトナム国内4機関のうちの1つ)として指定されています。今回提供する試薬は、新型コロナウィルスを同定するための検査に用いられ、迅速な患者の確定診断に貢献することが期待されます。ベトナムにおける感染症の予防・対応能力強化に資するものであり、SDGs(持続可能な開発目標)ゴール3に貢献します。

引渡式では、NIHEダン・ドゥック・アイン所長が、「SARSや鳥インフルエンザの発生時とは異なり、2006年以降の日本の支援による、NIHEへのバイオセーフティレベル3(BSL-3)の実験室の設置と、運用能力の強化支援によって、安全かつ的確に検査を実施できるようになった。JICAのこれまでの多大な支援と今回の迅速な支援に感謝している」と述べました。また、保健省国際協力局ダン・ヴィエット・フン局長は、「いつもベトナムが困っているときには、日本・JICAが支援してくれる。ベトナムを代表してお礼を申し上げる。日本は最大の経済におけるパートナーであるとともに、ベトナムに対する政府開発援助(ODA)においても最大の支援国である。これまでバックマイ病院の建設やワクチン製造といった分野で支援いただいた。ベトナム政府としては今回の新型ウィルス対応を是非成功させたい」と発言しました。

日本は、ODAを通じ、2006年から、こうした高危険度病原体の安全な取り扱いを可能とするバイオセーフティレベル3(BSL-3)実験室を設置するとともに、その運用能力強化を支援しています。現在、NIHEにはJICAから2名の長期専門家が常駐し、NIHEおよびホーチミンパスツール研究所等のベトナムの主要な検査機関の能力及び連携強化に取り組んでいます。

JICAは今後とも日本政府と連携して、新型コロナウイルス対策支援に取り組んでまいります。