ミャンマー向け技術協力プロジェクト討議議事録の署名: 食の安全性に着目し「儲かる農業」の実現に向けた園芸作物バリューチェーンを強化

【SDGsロゴ】貧困をなくそう

【SDGsロゴ】飢餓をゼロに

2020年3月18日

署名式の様子

国際協力機構(JICA)は、3月18日、ネピドーにて、ミャンマー連邦共和国政府との間で、技術協力プロジェクト「園芸作物の安全向上によるバリューチェーン構築プロジェクト」に関する討議議事録(Record of Discussions: R/D)に署名しました。

本案件は、JICA事業における農業開発セクターで最大の事業数を誇るミャンマー国において、食の安全性を含めた市場の需要に応える質の高い園芸作物(*)の生産、流通、マーケティングの技術指導および政府の体制強化支援を行います。これにより、農家の所得向上に繋がる園芸作物バリューチェーンの構築及び普及を図ります。また、SDGs(持続可能な開発目標)ゴール1、2に貢献します。

これまで、日本の対ミャンマー農業分野協力は灌漑整備や稲作振興が中心で、本案件は初めて園芸作物に焦点を当てました。園芸作物は、一般的に生産量よりも品質の向上による収益性が重視され、付加価値の高い安全な園芸作物生産の支援は多くの園芸作物農家の所得向上に繋がります。また、企業と農家の積極的なマッチングや金融商品の開発等も重視しており、このような金融包摂の取組みは東南アジアの農業セクターでは初の試みとなります。ミャンマーの人間開発指数は189ヶ国中148位(2018年UNDP発表)と低く、貧困率は農村部で23%、都市部で9%(2015年、世界銀行)と、都市・農村間の格差が生じています。本案件は、園芸作物を通じ小規模農家の所得向上に資することで、ミャンマー国内の格差解消や社会の底上げに資することが期待されています。

(*)園芸作物:園芸農業によって作られる花き・果樹・野菜の総称。

案件の詳細は以下の通りです。

【案件基礎情報】
国名 ミャンマー連邦共和国
案件名 園芸作物の安全向上によるバリューチェーン構築プロジェクト 実施予定期間:48ヵ月
実施予定期間 48ヵ月
実施機関 農業畜産灌漑省計画局、農業局、植物防疫局、ミャンマー果物・花き・野菜生産者・輸出者協会
対象地域 ヤンゴン地域モービータウンシップ、シャン州カロータウンシップ
具体的事業内容(予定) 農家の農業所得向上のため、園芸作物の生産能力強化、流通・販売方法の改善、農薬管理システムの改善を通じ、対象地域における安心安全な園芸作物バリューチェーンの構築を図る。