カンボジア「中小零細事業支援」に対する融資契約の調印(海外投融資):地方部の中小零細事業者の金融アクセスを改善

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2020年3月27日

カンボジアで物流業(農産品の集荷)を営む女性

国際協力機構(JICA)は、3月27日、カンボジアの預金取扱マイクロファイナンス機関Hattha Kaksekar Limited(HKL)(*)との間で、海外投融資による地方部の中小零細事業者向け貸付資金として、5,000万ドルの融資契約に調印しました。本融資は、「アジア諸国向け金融包摂促進ファシリティ」(Facility for Accelerating Financial Inclusion in Asia:FAIA)(2020年3月27日発表)のもとで実施するものです。

カンボジアでは貧困ライン以下人口の9割が地方部に所在しており、一層の貧困削減のためには、国民の多くの雇用を占める中小零細事業の成長とそれを通じた雇用創出が重要です。一方、中小零細事業の多くはいまだ金融アクセスが限定的で、資金ギャップは大きく(推計によると同国GDPの約21%)、中小零細事業の成長の足かせになっています。また、中小零細事業者の多くが女性であり(零細事業者の62%、小中規模事業者の26%が女性)、女性のエンパワーメントの観点からも中小零細事業の成長は重要です。

HKLは1996年から活動し、カンボジア地方部にも豊富なネットワークを有し、融資の82%が地方部向けです。また、貸出の64%が女性向けです。マイクロファイナンスにおける顧客保護原則の実行を認証するスマートキャンペーン認証を2016年に取得しています。

JICAによる本融資は、HKLによる地方部の中小零細事業者向け貸付拡大を支援し、カンボジアの貧困削減・地域格差是正並びに持続的な経済成長に貢献するものです。また、SDGs(持続可能な開発目標)ゴール8、9、17に貢献します。


(*)HKLは三菱UFJ銀行の連結子会社であるタイのアユタヤ銀行の100%子会社です。