プレスリリース

インドとの円借款契約調印について

〜増大する電力需要に対応し、送電線案件2件を継続支援〜

新聞発表/2002-6
2002年5月10日

  1. 国際協力銀行(総裁:篠沢 恭助)は、インドのアンドラ・プラデシュ送電公社が実施する「シマドリ・バイザック送電線建設事業(II)」、及び西ベンガル州電力庁が実施する「西ベンガル州送電網整備事業(II)」に対する円借款として、それぞれ64億円、31億2,700万円、総額95億2,700万円を限度とする貸付けを行うことを決め、本日、東京にて借款契約に調印した。

  2. 1998年5月のインドによる核実験以降、我が国政府はODA(政府開発援助)大綱に基づき、対インド経済措置を実施し、新規円借款の供与を停止してきたが、既に実施中の継続案件については、工事中断による損害も大きいことから、「ケースバイケースかつ限定的に円借款実施の可否を判断する」としている。今次借款対象の両事業は、いずれもかかる継続案件であり、我が国政府にて円借款継続実施の決定がなされたことを受け、今次調印に至ったものである。但し、我が国政府の対インド経済措置は昨年10月26日に停止されており、インドに対する具体的な新規円借款供与については今後両国政府間において検討されていくこととなる。

  3. 今回調印される円借款契約のうち、「シマドリ・バイザック送電線建設事業(II)」は、インド南部アンドラ・プラデシュ州のビシャカパトナム近郊に送電線、変電所等を新設・増設する際に必要な土木工事、資機材調達、コンサルティング・サービス等のための資金を供与するものである。また、「西ベンガル州送電網整備事業(II)」は、インド東部西ベンガル州全域を対象に、送電線、変電所等の新設・増設を実施する際に必要な土木工事、資機材調達、コンサルティング・サービス等のための資金を供与するものである。両事業に対しては、既に第1期分として106億2,900万円(1997年12月)、及び110億8,700万円(1997年2月)の円借款契約を各々調印しており、今次円借款契約は第2期分として両事業の継続実施のための資金を供与するものである。

  4. インドの電力セクターでは、全国の発電設備容量、電力供給量が共に需要を満たしておらず、特に工業の発達が進むインド西部・南部では深刻な電力不足の状況に陥っている。「シマドリ・バイザック送電線建設事業(II)」が実施される同国南部地方アンドラ・プラデシュ州においても、工業の発達に伴う急激な電力需要の伸びに供給が追いついておらず(2000年度:ピーク時約11.3%の電力不足)、同州経済発展のボトルネックとなっているため、不足を補う電力設備の増強が必要となっている。かかる状況に鑑み、同州の工業地区であるビシャカパトナム近郊ではシマドリ(1,000MW)(円借款事業)およびバイザック(1,040MW)の両石炭火力発電所が建設中であるが、両発電所の新設に合わせ、発電電力を同州の最大需要地である州都ハイデラバード他に送電するための高圧基幹送電線・変電所等の増設が急務の課題となっている。本事業においては、同州ビシャカパトナム市〜州都ハイデラバード間約600kmを含む地域において、基幹送電線の敷設、変電所建設等を実施するものであり、電力供給増大による産業活性化、それによる雇用拡大、農村電化や家庭電気普及等による地域住民の生活改善効果が期待できる。

  5. 「西ベンガル州送電網整備事業(II)」が実施される西ベンガル州は、インド第3の都市カルカッタを抱えるインド東部の主要州であり、近年工業化が進んでいる。これに伴い、同州では1999年〜2012年の間に年平均約6.5%の電力需要の伸びが予想されており、電力需要は引き続き堅調に増大推移することが予想されている。また検針不備・料金徴収の不徹底・盗電等の原因により、同州では高い送配電ロス率(36%程度)に直面している。これらの状況の下、現在建設中もしくは計画中の発電所の建設に合わせ、設備増強に伴う増加電力を需要地まで安定的に供給するため、現状の送電線網を全面的に強化、拡張することが急務の課題となっている。本事業は、州全域に渡って送配電網を強化・拡張することにより、同州における送電設備容量の増強を図るものであり、電力供給増大による産業活性化、それによる雇用拡大、農村電化や家庭電気普及等による地域住民の生活改善効果が期待できる。

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