プレスリリース

アルメニア共和国政府向け円借款契約の調印について

〜ガス火力複合発電所建設を通した、同国の経済発展基盤の強化を支援〜

新聞発表/2004-74
2005年3月31日

  1. 国際協力銀行(総裁:篠沢 恭助)は、3月29日、アルメニア共和国の首都エレバンにおいて、アルメニア共和国政府との間で、「エレバン・コジェネレーション火力複合発電所建設事業」を対象として、159億1,800万円を限度とする円借款の契約に調印した。

  2. 本円借款は、同国の首都エレバン市南部近郊に位置するエレバン火力発電所の隣接地に、ガス火力複合発電所(205MW級)を建設するために必要な資機材調達、建設・土木工事及びコンサルティングサービスのための資金を供与するものである。本事業の実施により、同国の電力供給能力の増強を図り、将来の電力不足の緩和及び経済発展の基盤整備に寄与することが期待されている。

  3. 既存のエレバン火力発電所を含むアルメニアの発電所の多くは、旧ソ連時代に整備され、操業開始後30年以上が経過し、老朽化に伴い電力供給能力及び信頼性が著しく低下している。現在の全国の電力ピーク需要1,177MWに対して、電力供給能力は1,266MWに過ぎず、予備供給力の確保や将来の電力需要増大(2008年には電力ピーク需要は1,350MWに達すると予想される)を勘案すると、今後、深刻な電力不足の到来が懸念されている。特に、電力需要の約5割は、同国経済・産業の中心地であり、人口の約3分の1を占める首都エレバン市(人口約110万人)が占めており、最大需要地である同市近郊に、建設期間が比較的短いガス火力発電所を建設する必要性・緊急度は高い。また、本事業では、発電効率の高い複合発電方式(コンバインドサイクル)(注1)を同国では初めて採用するほか、コジェネレーション(熱併給)プラントとして、排熱を利用した近隣の工場や住宅への熱供給を行うことにより、燃料消費の抑制を通した省エネルギー・省資源への取り組み、及び排出汚染物質の低減を通した環境負荷の低減への取り組みを支援する。

  4. アルメニアを含むコーカサス地域(注2)は、欧州と中央アジアを結ぶ回廊地帯にあることに加え、ロシアや中東諸国とも隣接する要衝に位置しており、その経済発展基盤への支援は周辺地域の安定化への貢献の面からも意義が高い。同国は旧ソ連時代に整備された経済・社会インフラの老朽化が著しく、特に電力インフラの整備は重要な開発課題となっている。このため当行は、これまでもアルメニアに対して、1999年に全国の送電・配電設備の改修・拡充を目的とする円借款を供与しており、2件目となる本事業と合わせ、経済の移行に伴う経済発展の基盤整備にとって重要性が高い電力分野への支援を通して、同国経済の安定した成長への支援を行う。

    (注1)天然ガスを燃焼させ、ガスの膨張力を利用してタービンを回すガスタービン発電と、その排ガスの余熱を回収してタービンを回す汽力発電とを組み合わせることで、熱効率を高めた発電方式。

    (注2)アゼルバイジャン、アルメニア、グルジアの3カ国。

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