プレスリリース

借款金額及び条件

(参考)

 金額(百万円)貸付金利(%/年)償還期間(年)/据置期間(年)調達条件
バンガロール配電網設備高度化事業10,6430.7515/5一般アンタイド
ハイデラバード都市圏送電網整備事業23,6971.330/10
デリー高速輸送システム建設事業フェーズ2(II)13,5831.330/10
ビシャカパトナム港拡張事業4,1290.7515/5
アンドラ・プラデシュ州灌漑・生計改善事業23,9741.330/10
トリプラ州森林環境改善・貧困削減事業7,7250.75*40/10*
グジャラート州森林開発事業フェーズ217,5210.75*40/10*
ケララ州上水道整備事業(II)32,7771.330/10
アグラ上水道整備事業24,8221.330/10
アムリトサール下水道整備事業6,9610.75*40/10*
オリッサ州総合衛生改善事業19,0610.75*40/10*
合計184,893   

*環境案件には通常よりも低い金利を適用し、開発途上国の環境問題への取組みを積極的に支援しています。

(1)バンガロール配電網設備高度化事業

Bangalore Distribution Upgradation Project

(a)事業の背景と必要性 

バンガロール市は人口約600万人を擁するインド南部カルナタカ州の州都であり、インドのシリコンバレーと呼ばれるインドのソフトウェア産業の中心地、また日系企業約60社を含む多くの海外企業が集まるインド有数の産業拠点です。一方で、同市を含むバンガロール都市圏の電力供給事情を見ると、頻繁に生じる停電(週に平均1時間半以上)が経済活動や生活水準向上のボトルネックとなっています。

(b)事業の目的及び概要

本事業はバンガロール市を含む都市圏(約1,600km2、東京都面積の約4分の3に相当)全域に配電自動化システムを整備することにより、電力供給の安定化を通じて地域の経済発展と生活水準向上に貢献することを目的としています。配電自動化システムとは、停電事故が発生した場合に、自動で停電事故地点の探査と隔離及び事故地点に隣接する区域の自動復旧を行うものです。これにより、停電からの復旧時間の大幅な短縮や、配電設備の有効活用が見込まれます。本事業で導入される配電自動化システムには、日本において開発された停電箇所探知技術が主要部分で採用される予定です。

また本事業では、インドで配電事業支援プログラムを実施中である米国国際開発庁(USAID)や現地NGO等の協力を得て、消費者の意見を集約する調査を実施し、事業実施者のサービス提供の一層の向上に役立てる予定です。

借款資金は、配電自動化システム及び関連機器の調達、コンサルティング・サービス等に充当されます。

事業実施者はバンガロール電力供給公社(BESCOM:Bangalore Electricity Supply Company Limited、住所:KR Circle, Bangalore 560 001, Karnataka, India、TEL:+91-80-2208-5402 、FAX:+91-80-2235-4928)です。

(2)ハイデラバード都市圏送電網整備事業

Transmission System Modernization and Strengthening Project in HyderabadMetropolitan Area

(a)事業の背景と必要性 

インドでは、急速な経済発展に伴い電力需要が急増しており、恒常的な電力不足の解消及び電力の安定供給が同国の一層の経済発展及び貧困削減のための緊急課題となっています。

インド南部アンドラ・プラデシュ州の州都ハイデラバード市(人口約600万人)は、近年ハイテク産業等の集積が著しく、オフィスビルや工場の増加、人口の増加によって2001年以降電力需要が平均年7%増加しており、今後5年間も平均年11%の伸びが予測されています。同州では発電所の建設による電力供給能力の向上が急ピッチで進められていますが、急増する発電電力を消費者に安定的に供給するため、同市及び隣接する地域の送変電網の能力増強が急務となっています。

(b)事業の目的及び概要

本事業はハイデラバード市及び隣接する地域において、高圧送変電網の整備を行うことにより、電力供給能力の向上を通じて地域の経済発展と生活水準向上に貢献することを目的としています。本事業の実施により、対象地域内の変電所の処理能力は約40%増強される予定です。また、送電ロス率の低下、停電の減少等も見込まれています。

借款資金は、送変電設備機器の調達、土木工事、コンサルティング・サービス等に充当されます。

事業実施者はアンドラ・プラデシュ州送電公社(AP Transco:Transmission Corporation of Andhra Pradesh、住所:VidyutSoudha, Khairatabad, Hyderabad 500 082, Andhra Pradesh, India、TEL:+91-40-2331-7650、FAX:+91-40-2339-6023)です。

(3)デリー高速輸送システム建設事業フェーズ2(II)

Delhi Mass Rapid Transport System Project Phase 2 (II)

(a)事業の背景と必要性

インドでは、近年、大都市の人口が急増し、自家用車の普及が急速に進んだため、大都市の交通混雑が激化していると共に、自動車からの排気ガス等による環境問題が深刻になっています。

首都デリーにおいても、人口(約1,400万人)が過去20年間に倍増したことにともない、自家用車の普及も急速に進み、登録車両台数も急増しています(1980年:52万台→2004年:417万台)。デリーにおいては、郊外と市の中心部を結ぶ近距離鉄道や市内の鉄道網が整備されていないため、交通手段はバスや自家用車に頼らざるを得ない状況【1】となっており、慢性的な渋滞が発生し、市内の平均車両速度は時速13kmになっています。また、自家用車・バスは、低質な燃料や旧式のエンジンを利用しているため、これらを原因とする大気汚染も深刻な問題となっています【2】。

こうした状況の下、デリーにおいて交通混雑を緩和すると共に、排気ガスによる大気汚染等の公害を減少させるために、大量高速輸送システムの構築が必要になっています。

(b)事業の目的と概要

本事業は、デリーにおいて、交通混雑の緩和と排気ガス削減を通じた経済の活性化と環境改善のために、総延長約245kmの地下鉄及び高架・地上鉄道を建設するものです。このうち、第1フェーズ(3路線、約59km)は2006年11月に全線完成しており、今回の支援は、第2フェーズとして5路線(うち3路線は延伸)からなる約54kmを対象としています。既に第1フェーズによりアクセスが可能になっているレッドフォート城等に加えて、世界遺産に登録されている遺跡(クトゥブ・ミナール(勝利の塔))にもアクセスが可能となるため、観光の振興にもつながることが期待されています。

また、本事業の第1フェーズでは、安全帽・安全靴で作業をする習慣が定着していなかったインドの工事現場において、作業員の一人一人に至るまで安全帽・安全靴を着用させるとともに、工事現場の整理整頓も徹底する等、安全性及び効率性といった意識を浸透させ、インドの工事に文化的な革新を起こしたと言われており、第2フェーズにおいても同様の取り組みを継続します。

借款資金は、地下鉄建設の土木工事、車両の調達、コンサルティング・サービス等に充当されます。

事業実施者は、デリー交通公社(DMRC:Delhi Metro Rail Corporation Limited、住所:3rd Floor, EastTower, N.B.C.C. Place, Bhishma Pitahmah Marg, Pragati Vihar, New Delhi 110003,India、TEL:+91-11-2436-5202、FAX:+91-11-2436-5370)です。

【1】2001年現在、東京における通勤手段の比率はバス12.7%、自家用車15.9%、鉄道52.1%であるのに対し、デリーの比率はバス60.0%、自家用車39.5%、鉄道0.5%)

【2】浮遊粒子状物質の年平均濃度は北京・バンコク等を大幅に上回り世界の主要都市の中で最高

(4)ビシャカパトナム港拡張事業

Visakhapatnam Port Expansion Project

(a) 事業の背景と必要性

インドの国際貿易及び国内輸送において海上輸送は重要な役割を果たしており、インドの港湾貨物取扱量は、同国経済の開放政策により近年、急激な伸びを見せています(2000年度:2.8億トン→2004年度:3.8億トン)。

インド南部アンドラ・プラデシュ州に位置するビシャカパトナム港は、インドの主要13港の1つであり、年間貨物取扱量は6年連続で国内最大(約5,580万トン)で、そのうち鉄鉱石が約3割(約1,600万トン)を占めています。インドは世界第3位の鉄鉱石輸出国であり、日本にとってもインドは、第3位の鉄鉱石輸入先となっています。同港は、バイラディラ鉱山から採掘される高品位の鉄鉱石を輸出する主要積出港です。とりわけ、同鉱山及び同港の外港は、70年代に円借款で開発されたこともあり、同鉱山から産出される鉄鉱石の約3割を日本が輸入するなど、日本と強い繋がりをもっています。同港の外港における鉄鉱石取扱量は、現在の1,370万トンから、2012年には1,570万トンに達すると見込まれていますが、荷役設備は老朽化が著しく、故障の頻発による輸出能力の低下が懸念されています。また、同港には現在、15万トン級の船舶しか入港することができませんが、船舶の大型が世界的に進む中、輸送効率を上げるために20万トン級の大型船に対応した港湾整備に対する日本の産業界の期待も大きく、同港の拡張が必要となっています。

(b) 事業の目的と概要

本事業は、ビシャカパトナム港において、鉄鉱石仮置場の地盤改良、航路・泊地浚渫、係留設備等の増強をうことにより、輸送能力の向上及び輸送効率の改善を図り、鉄鉱石の輸出拡大等による同国の経済発展に寄与することを目的としています。

借款資金は、港湾拡張の土木・海洋工事、機器調達・電気工事、コンサルティング・サービス等に充当されます。なお、同事業に対しては2005年度円借款により調査・設計支援を実施しています。

事業実施者は、ビシャカパトナム港湾公社(VPT:Visakhapatnam Port Trust、住所:Port Area, Visakhapatnam-530035, Andhra Pradesh, India、TEL:+91-891-2876001、FAX:+91-891-2565023)です。

(5)アンドラ・プラデシュ州灌漑・生計改善事業

Andhra Pradesh Irrigation and Livelihood Improvement Project

(a)事業の背景と必要性 

インドでは、農業生産が国内総生産の約2割を占め、全労働人口の約6割が農業部門に従事するなど、農業は経済において重要な位置を占めています。人口増加に対応する食糧供給の増加及び農村部の貧困削減を図るためには農業生産性の向上が必要ですが、インドでは降雨が雨期の数ヶ月間に集中することから、水資源開発とその効率的活用が不可欠です。このため、限られた水資源を有効活用して農業用水を確保するための灌漑施設の整備は、インド政府の最優先課題の一つに挙げられています。

インド南部に位置するアンドラ・プラデシュ州(人口7,570万人(2001年))は、州面積の38%を農地が占め、労働人口の65%が農業に従事しているなど、農業の重要性が高くなっています。しかしながら、灌漑施設の大半は建設から半世紀以上が経ち、老朽化と維持管理不足の結果、水路の破損や堆砂により施設の末端まで通水していないため、安定的な農業生産が困難な状況です。また、これまで大規模な施設建設に集中して開発されてきたため、大規模な開発に適さない地域では未だ天水に依存した農業生産を行わざるを得ない状況に置かれているため、干ばつの被害が深刻化による農家の自殺が社会問題化しています。 こうした状況下、老朽化の進む既存灌漑施設の改修と天水農業地域における灌漑施設整備、並びに維持管理体制の強化が重要な課題となっています。

 (b)事業の目的及び概要

本事業は、既存灌漑施設の改修と天水農業地域における灌漑施設の新規建設、及び灌漑施設の維持管理を担う組織の強化を行うことにより、農業生産性及び水管理能力の向上による農業所得の増加を目指すものです。また、農業所得向上に向けて、農業技術の普及や農作物の市況情報の提供も行います。灌漑施設の整備は同州の中でも貧困率が高い北部地域を中心に行われ、安定的な水供給による農業生産の増大を通じた貧困緩和に取り組みます。

また同州は、1997年に制定された水利組合法の下で灌漑施設の運営・維持管理を住民へ移管しており、住民参加型水管理に積極的に取り込んでいます。しかしながら、参加型水管理に関する十分な研修を受けていない水利組合は、運営・維持管理に関する知識が乏しく、公平な水配分や施設のメンテナンスを適切に行うことが出来ていません。そこで、本事業では、従来は灌漑施設建設後に形成されてきた水利組合を工事開始前から形成し、住民のオーナーシップの向上を図るとともに、州全体において参加型灌漑管理を促進するためにNGOや国際機関と連携し、灌漑局職員及び州全体の水利組合を対象にトレーニングを実施します。参加型水管理に積極的に取り組む同州におけるこのような取り組みは、他州へのモデルとなることが期待されます。

借款資金は灌漑施設の土木工事、コンサルティング・サービス等に充当されます。

事業実施者は、アンドラ・プラデシュ州灌漑局(Irrigation and Command Area Development Department、住所:JalasoudhaBuilding, Erramanzil, Hyderabad 500 082, Andhra Pradesh, India、TEL:+91-40-2330-5894、FAX:+91-40-2330-5951)です。

(6)トリプラ州森林環境改善・貧困削減事業

Tripura Forest Environmental Improvement and Poverty Alleviation Project

(a)事業の背景と必要性 

インドにおける森林被覆率は約24%と世界平均(約30%)に比べ低い水準であることに加え、人口増加及び木材需要の急増により更なる森林伐採が進み、森林の劣化、水土保全機能の低下が引き起こされています。このため、家畜の飼料、燃料用の薪、現金収入源の果実等を森林へ依存している貧困層の生活が圧迫され、森林への負荷をさらに加速する悪循環に陥っています。

インド北東部に位置するトリプラ州(面積10,499km2)は州人口の約83%が山岳・丘陵地帯に居住し、とりわけ同州人口の31%を占める先住民族の大半が森林に大きく依存して生活しています。山岳・丘陵地帯の貧困率は40%と非常に高く、これら貧困層による森林資源の過剰採取や焼畑農業等の影響によって、森林の荒廃が著しく、1989年から2003年の間に約509km2の密林が減少し、焼畑面積は約137km2増加しました。こうした状況の下、荒廃林の再生及び貧困層の生活水準向上への取り組みが必要となっています。

(b)事業の目的及び概要

本事業は、トリプラ州の7の営林区及び3の鳥獣保護区を対象に、約5.5万ヘクタール(東京都の面積の約1/4に相当)の植林を地域住民の参加を得て実施するとともに、地域住民の生計改善に向けた取り組み等を行うことにより、地域の環境改善及び貧困削減を図るものです。

本事業では、「住民参加型森林管理」方式を採用し、森林に近接する村落住民で構成される約400の森林管理組合を設立し、地域事情に詳しい現地のNGOの協力を得ながら、植林内容を含むマイクロプランと呼ばれる計画を住民主体で作成し、効率的な森林管理を目指します。

持続可能な森林の再生のためには、貧困のためにやむを得ず森林伐採や焼畑により森林再生の芽を摘む可能性のある森林周辺の住民の代替収入源の確保と、生活向上に向けた自助努力の促進も必要となります。このため、本事業では森林管理組合の発案による小規模インフラ整備に対して支援を行うとともに、住民が自助グループを形成し、所得創出のための小規模事業を開始・拡大できるように、必要な情報提供や技術指導を行います。

借款資金は、植林活動、生計改善活動、コンサルティング・サービス等に充当されます。

事業実施者は、トリプラ州森林局(Forest Department, State Government of Tripura、住所:Aranya Bhawan,Nehru Nagar, Kunjban, Agartala 799 006, Tripura, India, TEL: +91-381-2325616、FAX: +91-381-2225253)です。

(7)グジャラート州森林開発事業フェーズ2

Gujarat Forestry Development Project Phase 2

(a)事業の背景と必要性 

インドにおける森林被覆率は約24%と世界平均(約30%)に比べ低い水準であることに加え、人口増加及び木材需要の急増により更なる森林伐採が進み、森林の劣化、水土保全機能の低下が引き起こされています。このため、家畜の飼料、燃料用の薪、現金収入源の果実等を森林へ依存している貧困層の生活が圧迫され、森林への負荷をさらに加速する悪循環に陥っています。

インド西部に位置し、日本の約半分の面積(約19.6万km2)を持つグジャラート州は、1995年には約123万ヘクタールの森林地のうち52万ヘクタールが荒廃した森林地でした。これに対して当行は「グジャラート州植林開発事業」(1996年1月調印、157.6億円)による支援を行い、約26万ヘクタールの植林が実施されました。しかし依然として森林被覆率は13.0%とインド全国平均(23.7%)よりも大幅に低い状況です。特に同州東部丘陵地域は貧困率が高く、主な貧困層である先住民族が森林に大きく依存して生活しているため、過放牧や森林資源の過剰採取によって森林の劣化が進行しています。その結果、土壌流出および保水能力の低下も深刻化しています。また、同州には西ベンガル州に次ぐインド国内2位のマングローブ林が広がっているものの、約79%(7.6万ヘクタール)が荒廃林となっています。マングローブ林は自然災害による海岸侵食を防ぐ役割も持っていることから、保全が重要な課題となっています。

(b)事業の目的及び概要  

本事業は、グジャラート州の14の営林区、10の社会林業区、1の野生生物林区を対象に、14.6万ヘクタール(東京都面積の約3分の2に相当)の植林を地域住民の参加を得て実施するとともに、地域住民の生計改善に向けた取り組み等を行うことにより、地域の環境改善及び貧困削減の推進を図るものです。

本事業では、「トリプラ州森林環境改善・貧困削減事業」と同様に、「住民参加型森林管理」方式を採用して、森林に近接する村落住民で構成される管理組合を設立し、地域事情に詳しい現地のNGOの協力を得ながら、植林内容を含むマイクロプランと呼ばれる計画を住民主体で作成し、効率的な森林管理を目指します。また、生物多様性保全の観点から、希少な野生生物とその生息地を保護・回復していくため、210の保護管理組合を設立し、保全計画策定等も行います。

借款資金は、植林活動、生計改善活動、コンサルティング・サービス等に充当されます。

事業実施者は、グジャラート州森林局(Forest Department, Government of Gujarat、住所:Block No. 14,Dr. Jivaraj Mehta Bhavan, Old Sachivalaya, Gandhinagar, Gujarat, India, TEL:+91-79-232-53903、FAX:+91-79-232-54106)です。

(8)ケララ州上水道整備事業(II)

Kerala Water Supply Project (II)

(a)事業の背景と必要性

安全な飲料水の入手は健康で衛生的な生活にとって必要不可欠であるため、インド政府は独立以来、上水道整備に努め、2002年時点での上水道普及率は86%に至っています。一方で、急速な人口増加や経済発展に伴う上水需要のスピードに上水道設備の整備が追いついていないため、需要に対応した安全かつ安定的な上水道サービスの提供による住民の生活環境改善が重要な課題となっています。

インド南部に位置するケララ州(人口3,184万人)は上水普及率が65%(2006年)と全国平均より大幅に低く、北東州と並んでインド国内で最も上水道普及率の低い州の一つです。事業対象地域のうち2都市では、都市化に伴う人口増加に対して上水道施設の整備が進んでおらず、上水の供給不足が深刻化しています。また、地方3都市では、水不足に加えて、既存の水源である地下水への塩水の浸透により水質が悪化しており、早急な地表水の水源開発が必要となっています。

 

(b) 事業の目的と概要

本事業では、ケララ州のうち人口増加が進み上水の供給不足が深刻化している都市部、及び水不足に加え塩水の浸透により地下水の水質が悪化している地方都市を対象に、上水道施設の整備を行うことにより、増加する水需要に対する安定的な上水道サービスの提供を行うことを目的としています。本事業により、地域住民合計約340万人(2006年)の生活環境の改善が期待されます。当行はこれまで本事業に対し、119.97億円(1996年度)の円借款を供与しています。

借款資金は、上水道施設建設の土木工事、資機材の調達、コンサルティング・サービス等に充当されます。

事業実施者はケララ州水道局(Kerala Water Authority、住所 "Jala Bhavan" Vellayambalam,Thiruvananthapuram- 695033, Kerala, India、TEL:+91-0471-328654, FAX:+91-0471-324903)です。

(9)アグラ上水道整備事業

Agra Water Supply Project

(a)事業の背景と必要性

インドでは、人口の増加や工業化による上水需要の急増に水源開発や上水道整備が追いつかず、一日にあたりの給水時間は首都のデリーでも約3.5時間程度という状況です。

インド北部ウッタル・プラデシュ州アグラ市及び周辺地域(マトゥラ市、ブリンダバン市)における現在の上水道サービスは、上流に位置するデリーやハリヤナ州の工業都市の排水で汚染されたヤムナ川の水を利用しています。しかし、水質の悪化したヤムナ川の水を浄化するために多量の塩素が使用され、カルキ臭を呈するとともに発がん性物質トリハロメタン生成の可能性が指摘されるなど、飲用に適さなくなっており、飲み水は地下水やペットボトルに依存しています。しかしながら、地下水にもフッ素の懸念があり、ペットボトルは貧困層には手が届かないなど、安全な水供給への課題が指摘されています。加えて、給水時間は現在でも一日3〜4時間に止まり、ヤムナ川の水量は伸び続ける人口増加に対応できていません。こうした状況の下、上水道施設の整備による安全且つ安定した水供給は緊急の課題となっています。

(b) 事業の目的と概要

本事業は、ウッタル・プラデシュ州において、ガンジス川を水源とするガンジス上流灌漑水路から導水し、アグラ市とその周辺地域向けの上水道施設を建設するとともに、アグラ市の既存上水道施設の改修・拡張を行うことにより、安全かつ安定的な水供給を行うことを目的としています。ガンジス川のきれいな水は飲用として利用できるため、貧困層を含むアグラ市民の衛生環境の改善も期待されます。さらに、世界遺産タージマハルを擁する同市を訪れる多くの観光客への裨益効果も見込まれます。また、本事業では、スラム住民に対する水道接続支援を行い、貧困層への上水道サービスの普及に努めるとともに、現地NGOと連携して節水や料金支払に関する住民の理解促進のための啓発活動を行います。

借款資金は上水道施設建設の土木工事、資機材の調達、コンサルティング・サービス等に充当されます。

事業実施者はウッタル・プラデシュ州水道局(Uttar Pradesh Jal Nigam、住所:6, Rana Pratap Marg, Lucknow,226001, Uttar Pradesh, India、TEL:+91-522-2620172、FAX:+91-522-2620173)です。

(10)アムリトサール下水道整備事業

Amritsar Sewerage Project

(a) 背景と必要性

インドでは都市部への急激な人口流入や工業化に対して、下水道整備が追いついていないため、自然の浄化能力をはるかに上回る下水が河川に排出されています。そのため、汚染された水を媒介とする下痢、肝炎等、地域住民への健康被害が生じています。

アムリトサール市はパキスタン国境に隣接するインド北東部パンジャブ州の中核都市で、インドとパキスタンの国境から30kmに位置しています。同市では、急増する人口(1981年59万人→2001年98万人)に対して下水道のネットワーク整備が追いついておらず、家屋周辺の汚水排出により衛生環境の悪化が進んでいます。さらに、同市には下水処理場がないため、全ての汚水が処理されずに河川に排出され、パキスタン領内へ流れており、国際河川の水質汚濁を引き起こしています。現在、周辺河川に排出されている未処理下水の汚濁度は、インド国内排出基準の約5倍に達しています。こうした状況の下、同市の衛生環境の改善のために下水道施設整備の必要性が高まっています。

(b) 事業の目的と概要

本事業はパンジャブ州アムリトサール市において、下水道施設整備することにより、安定的な下水道サービスの普及を図り、地域住民の衛生・生活環境の改善に寄与するものです。また、同市はシーク教徒の聖地でもあるため、多くの巡礼者、旅行者への裨益も期待されます。本事業では、下水道施設の整備に加え、現地NGO等の支援を通じて、衛生環境改善に向けた市民の積極的な参加を促すことを目指した啓発活動を行います。更に、都市貧困層対策として、上水道への接続支援、スラム街へのトイレの整備、地域住民グループを活用した廃棄物の自己管理の拡大・改善を支援します。

借款資金は、下水道施設建設の土木工事、資機材の調達、コンサルティング・サービス等に充当されます。

事業実施者は、パンジャブ州上下水道公社(PWSSB: Punjab Water Supply and Sewerage Board、住所:1-B,Sector 27-A, Madhya Marg, Chandigarh, 160 019, Punjab, India、TEL:+91-172-2656526,FAX:+91-172-2656526)です。

(11)オリッサ州総合衛生改善事業

Orissa Integrated Sanitation Improvement Project

(a)事業の背景と必要性

オリッサ州はインド東部、ベンガル湾沿岸に位置しており、インド国内で最も貧困率が高い州です。一方、鉄鉱石、石炭等の天然資源に恵まれ、近年、製鉄所、発電所の新規建設が進んでいます。同州の州都ブバネシュワール市及び商業活動の中心地であるカタック市においては、都市部の急激な人口増加(両市合計で1981年51万人→2001年113万人)に下水道整備が追いついていない状況です。

ブバネシュワール市は下水処理量が発生量の僅か1%と極めて低く、市内で発生した汚水の大部分が未処理のまま、市内の排水路を通じて河川に排出され深刻な水質汚濁を引き起こすとともに、地域住民の衛生・生活環境の悪化を招いています。カタック市もブハネシュワール市と同様の問題に直面し、河川の水質汚濁、地域住民の衛生・生活環境の悪化が進行しており、両市ともにインド国内排出基準の4倍を超える汚濁度の汚水が河川に排出されている状況です。加えて、カタック市は2つの河川の中州に位置し、市内の排水能力が不足しているために、雨季の河川増水時には低地が頻繁に浸水しています。浸水時には、排水路に流入している汚水も市内に溢れるため、深刻な衛生上の問題となっています。こうした状況の下、衛生環境の改善のための下水道施設及び雨水排水施設の整備の必要性が高まっています。

(b) 事業の目的と概要

本事業はインド東部オリッサ州の州都ブハネシュワール市及びカタック市において、下水道施設、雨水排水施設の整備等を行うことにより、安定的な下水道サービスの提供及び雨水排水の改善に取り組み、貧困層を含む住民の衛生・生活環境の改善を図るものです。

本事業により建設される下水道施設を含めた上下水道事業の運営・維持管理業務については、本事業の完成までに、現在の州公衆衛生局からブバネシュワール市とカタック市に移管される予定となっています。そのため、現在、米国国際開発庁の支援により、権限移譲に向けたアクションプランが策定されており、本事業で雇用されるコンサルタントが同アクションプランに基づき詳細計画を策定し、米国国際開発庁と連携しつつ権限委譲プロセスの推進を支援します。

また、本事業は、両市のスラム街も対象地域としており、現地NGOと連携しつつスラム住民のニーズを反映した実施計画を策定し、トイレや廃棄物集積所等の衛生施設の整備を行います。 

借款資金は、下水道施設建設及び雨水排水施設建設の土木工事、資機材の調達、コンサルティング・サービス等に充当されます。

事業実施者は、オリッサ州上下水道公社(OWSSB:Orissa Water Supply and Sewerage Board、住所:Satya Nagar,Bhubaneswar-7, Orissa, India、TEL:+91-674-2571185、Fax: +91-674-2571348)です。