プレスリリース

ケニア港湾公社向け円借款契約の調印

〜港湾整備を通じ、同国及び東アフリカ地域の国際貿易競争力強化を支援〜

新聞発表/2007-67
2007年11月21日

  1. 国際協力銀行(総裁:田波 耕治)は、20日、ケニア港湾公社との間で、「モンバサ港開発事業」として総額267億1,100万円を限度とする貸付契約に調印しました。

  2. モンバサ港は、ケニア第2の都市モンバサ市に位置し、インド洋に面する入江を利用した天然の良港で、ケニア唯一の国際港です。本事業は、ケニアのみならず、ウガンダ、ブルンジ、ルワンダなどの近隣内陸国を含む東アフリカ地域の物流拠点である同港のコンテナターミナルの建設や、船やコンテナターミナル内でのコンテナの積み降ろしをするクレーンといった荷役機械の整備を行うものです。本事業により、円滑な物流の促進が図られるとともに、ケニアのみならず、東アフリカ地域全体の経済社会発展への貢献が期待されています。本件にかかる貸付資金は、ターミナル建設、港湾荷役機器調達、港湾アクセス道路建設、及びコンサルティングサービス等費用に充当されます。

  3. 本事業では、サハラ以南アフリカで初めて「本邦技術活用条件」(STEP)による日本タイド条件が適用され、施工にあたって日本企業が有する港湾建設技術の移転が図られる予定です。また、建設工事に伴う労働者流入によるHIV/エイズの感染拡大を防ぐため [1]、現地NGOと協力し、円借款資金を活用して建設工事従事者、実施機関職員、地域住民等を対象に、啓蒙のためのセミナーの開催や、実施機関医療部門の能力強化等を実施する予定です。

  4. 近年、東アフリカ共同体諸国 [2]の経済成長は、各国とも概ね5%〜6%と目覚しく、地域内の物流が飛躍的に増加し、それに伴いモンバサ港におけるコンテナ取扱量 [3]は2000年から2006年の6年間で倍増しており、今後も同程度のペースの需要増加が見込まれています。既に同港ではコンテナ取扱能力を上回る貨物量を取り扱っているため [4]、荷卸を待つ船の海上での滞留や、コンテナが1ヶ月もの期間ターミナルに滞留する等の問題が生じています。東アフリカ共同体は、人口が1億2千万人、面積は日本の8倍以上あるうえ上述の通り順調な経済成長を遂げているなど、大きな成長のポテンシャルを有しており、アフリカの成長の牽引力となっています。この東アフリカ地域の成長を持続、加速させるためには、物流の拠点となる同港の拡充が重要な意味を持っています。また、物流促進のためには、ターミナルの整備、機材の導入だけではなく、港湾料金の見直し、通関業務の迅速化等運営体制の改善等も重要であり、本事業で整備されるコンテナターミナルは、効率的な運営維持管理を目的として円借款資金を用いて雇用されるコンサルタントが技術支援する他、民間企業によるターミナル運営が予定されています。

  5. ケニアは、サハラ以南アフリカ地域で、発展への高い経済力を有しており、民主化、経済改革への努力や、債務削減を受けることなく経済・社会発展を目指していること等を勘案すれば、他国の良い先例となりえます。このように、同国は、我が国の対東アフリカ援助の拠点として重要な役割を担っており、我が国支援の重点国と位置づけられています。

    6. また、東アフリカ域内の交易拠点である同国への援助は、域内全域への波及効果があり、アフリカにおける広域開発の効果的な推進といった観点からも有益と考えられています。当行は、アフリカを国単位ではなく地域としてとらえ、国境を越えた広い地域に裨益するインフラ整備、民間セクター育成及び農業開発支援などを重点分野として支援を引き続き行っていく方針です [5]

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[1] HIV成人感染率は、ケニア全体では6.1%(2005年)、本事業対象地域では12.3%(2004年)。

[2] ケニア、タンザニア、ウガンダ、ブルンジ、ルワンダ。

[3]2006年は約48万TEU。アフリカで第4位の取扱量。

[4]2006年には、現在のコンテナ取扱能力である約45万TEUを上回る、約48万TEUを取り扱っています。なお、2015年には、需要が約96万TEUに達する見込み。

[5] 本年3月に円借款の貸付契約に調印したタンザニア向けのアルーシャ-ナマンガ-アティ川間道路改良事業もタンザニアとケニア間の交易促進に貢献するものであり、この方針に沿った支援事業です。