プレスリリース

スリランカ向け円借款契約の調印

新聞発表/2008-35
2008年7月29日

〜貧困緩和、地域間の格差是正を図り、スリランカの経済社会発展を目指す〜

1. 国際協力銀行(総裁:田波 耕治)は、本日、スリランカ民主社会主義共和国との間で、計5事業を対象として、総額350億円を限度とする円借款貸付契約に調印します。

2.今次円借款では、2006年11月に発表された現政権の基本政策である「マヒンダ・チンタナ10ヵ年計画 [1] 」に掲げられた重要な開発課題に対応し、スリランカの経済社会発展に資すると共に、地域及びセクターのバランスに配慮した支援となっています。

3.今次円借款の特徴は以下の通りです。

(1)貧困層にマイクロファイナンスを提供: 北・東部州及び周辺地域の貧困削減を支援

スリランカにおける貧困率 [2] は改善が見られるものの、人口の約23%を貧困層が占めており(2006年時点)、依然として貧困問題は重要な課題です。同国政府は2015年までに全国の貧困率を13%まで削減することを目標 として、地方・農村開発による貧困削減及び地域間格差是正に取り組むことを掲げています。特に貧困率の高い北・東部の経済的・社会的安定化を重要としており、その手段として小口融資を行うマイクロファイナンスを有効な手段と位置付けています。

「貧困緩和マイクロファイナンス事業(II)」では、北・東部州及びその周辺の貧困率の高い地域の貧困層に対して、小規模事業を実施するための資金の提供等を行い、貧困層の所得水準向上を支援します。

(2)道路ネットワーク改善: 経済基盤強化、地域格差是正を支援

スリランカでは主要な都市を結ぶ道路網が十分に整備されていない他、交通量の増加に対し道路整備が追いついておらず、経済成長のボトルネックとなっていま す。また、国土の均衡ある発展という観点からも、主要な都市間の輸送能力の強化のための新規道路網の整備が必要となっています。

「大コロンボ圏都市交通整備事業フェーズ2(I)」及び「南部ハイウェイ建設事業(II)」では、高速道路を建設することにより、交通渋滞の緩和等による経済基盤の強化と地域間格差の是正を支援します。

なお、「大コロンボ圏都市交通整備事業フェーズ2(I)」では、軟弱地盤対策及び都市部や狭小地における急速・省スペース施工のため、日本の技術を活用することになっています。

(3)水供給改善: 大コロンボ圏において貧困層を含めた水へのアクセス改善を継続支援

スリランカの上水道普及率は約30%(2006年)と低い水準に留まっており、特に大コロンボ圏では、急速な都市化による水需要の増加に供給が追いついておらず、水へのアクセス改善が求められています。

「水セクター開発事業(II)」では、大コロンボ圏において、上水道を整備することにより、安全で安定的な水供給を通して居住環境の改善を支援します。

(4)電力供給安定化: スリランカ初となる天然ガスによる電源開発計画を支援

スリランカにおける電力需要は年間約8%で増加する見込みであり、将来的な需要を満たす安定的かつ廉価な電力供給が課題となっています。

「電源多様化促進事業(E/S)」では、電源の多様化を目指して同国初となる天然ガス事業計画(液化天然ガス受入基地及び火力発電所への送ガスパイプライン建設計画)に関する基本設計等のエンジニアリング・サービスの支援を行います。

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[1] マヒンダ(大統領の名)のビジョン、との意。

[2]  全人口に占める、貧困ラインを下回る人口の割合。統計局は2002年から食料エネルギー摂取量法(FEI)による算出数値を採用し、ベーシック・ヒューマン・ニーズのコスト(栄養摂取、カロリー摂取に係るコスト、食料以 外の生活必需品に係るコスト等)から算出された一人当たりの月ごとの消費支出を公式貧困ラインとして発表している。