海外経済協力基金プレスリリース

持続的経済発展にむけて 〜インドの経済インフラと環境案件を支援

Press Release:97/12/12

OECF(総裁 西垣 昭)は、インドにおけるパンジャブ州植林開発事業等10案件の所要資金として、総額1,327億2,500万円を限度とする貸付を行うことを決め、平成9年12月12日、借款契約に調印した。調印は東京のOECF本部で行われ、OECFを代表して西垣昭 総裁が、インドを代表してシッダールタ・シン(H.E. Mr. Siddharth Singh)駐日インド大使が署名することによって行われた。
この結果、OECFのインドに対する貸付承諾額累計は、142件、1兆6,302億4,800万円となった。
今回の円借款は、電力プロジェクト(4件)、港湾プロジェクト(1件)、植林プロジェクト(1件)、農業プロジェクト(3件)、開発金融プロジェクト(1件)から構成されている。
今回の借款の特色、各借款の金額・条件及び事業概要は、以下の通りである。

1. 今回の円借款の特色

(1)経済インフラストラクチャーの整備に重点

持続的な経済成長を維持するためには、更なる経済活動の活性化が不可欠である。対インド円借款では、国内外企業家の事業・投資環境の整備など大きな経済波及効果が期待される経済インフラストラクチャー整備に従来から重点を置いている。今次対インド円借款においても、インド側の同分野に対する需要が依然として非常に高い点を勘案して、経済インフラインフラストラクチャーでは5プロジェクト(電力4、港湾1)が採り上げられた。

1)電力

慢性的な電力不足はインドにおいて経済発展の主要なボトルネックとなっており、既存設備の電力供給は需要を大きく下回っている。殊に開発の遅れているインド北東部や、工業の発展に伴い需要の伸びが著しいインド南部において深刻な状況を呈している。こうした増大する電力需要に対処するために、対インド円借款では供給能力の増強を目的とした発電所新設事業を実施する一方、送配電ロスの低減及び電力の安定的供給に資する送配電網整備事業にも積極的に支援している。
今年度の発電所新設案件として、「バクレシュワール火力発電所建設事業(II)」、「ダウリガンガ水力発電所建設事業(II)」、「スリサイラム左岸揚水発電所建設事業(III)」、送電網整備事業として、「シマドリ・バイザック送電線建設事業」がそれぞれ採り上げられた。

2)港湾

インドには、11の主要港(Major Port)と139の中小港(Minor Port)がある。その内、特に主要港におけるコンテナ取扱量は近年急激な伸びを示しており、主要港の施設容量を超過するコンテナを扱っている。また、インドでは殆ど全ての主要港の貨物取扱能力が限界に達しているが、港湾当局側の開発資金も不足しているため、インド政府は民活導入を推進する政策を打ち出しており、公的資金による港湾の基盤となるコンテナターミナルの建設・拡張、浚渫、倉庫設立、船舶修理等の促進に対する民間部門の期待は大きい。
今次借款では、主要港のひとつであるツチコリン港の浚渫工事を実施することにより、同港の運営効率化を図ることとしている。

(2) 環境案件への支援

自然環境や社会環境の悪化による貧困の拡大といった悪循環を未然に防ぐため、持続可能な開発を達成させるためには環境保全が不可欠である。従来より重点を置いている経済インフラストラクチャーの整備に加えて、最近では環境支援にも重点を置いており、今次借款では以下の植林プロジェクトが採り上げられた。

インドでは、農村部における人口増加に起因する燃料用の木材需要の増加や過放牧等により森林面積が急速に減少している。植林事業では、その効果的実施と運営・維持管理のために、プロジェクトへの住民参加が不可欠で、州政府当局職員と住民へのトレーニング、過去の経験のフィードバックによる事業実施方法の改善が重要になってきている。OECFはインド最大の乾燥地域であるラジャスタン州において、1991年度以来3件(「インディラ・ガンジー運河地域植林事業」、「アラバリ山地植林事業」、「ラジャスタン州植林開発事業」)の植林事業を実施し、1995年には「グジャラート州植林開発事業」、1996年度には「タミールナド州植林事業」、「カルナタカ州東部植林事業」の2件を採り上げている。
今年度採り上げた「パンジャブ州植林開発事業」では、パンジャブ州北部丘陵地帯にて進む森林荒廃、および同州平野部で進む土地の荒廃を改善するために、適切な土壌改善策を用いつつ地域住民参加型の植林等を実施して、森林への伐採圧力を減少させながら森林面積を増加させていくこととしている。

(3)農業案件への支援

今次対インド円借款では、農業支援案件として灌漑事業を採り上げた他、マディヤ・プラデシュ州及びマニプール州における貧困緩和を目的とした養蚕事業も採り上げた。

1)灌漑

インドは1970年代に食糧自給を達成しているが、他のアジア諸国に比べ生産性が低く、将来の人口増と国民の栄養摂取状況改善の必要性を考慮すると、食糧増産の必要性は依然として高い。また、農村に住む貧困層の多くが農業に従事しているので、貧困対策としての効果も期待できる。
今次採り上げた「レンガリ灌漑事業」は、オリッサ州の多目的ダムで発電に使用された水を灌漑に有効活用し、農業生産の拡大・安定化を図るものである。

2)養蚕

近年、インド政府は雇用創出・貧困緩和に寄与する農村家内工業として養蚕に注目している。特に、貧困ライン以下の労働力を労働市場に吸収するため、養蚕のような労働集約的産業を育成する必要性は極めて高い。
今次借款においては、マディヤ・プラデシュ州およびマニプール州の2州において蚕糸の品質向上と生産量拡大を行うことにより、雇用創出及び貧困層の生活水準向上を図ることとしている。

(4)過去最大の資金規模を維持

今次対インド円借款総額は、前年度より0.02%減の1,327億2,500万円で、対インド円借款としては過去最大規模となった昨年度とほぼ同規模であった。内訳は環境5%、電力57%、港湾5%、農業11%、開発金融23%となっている。
インドの経済自由化政策は、1991年に発足したラオ政権以来、96年6月に発足したゴウダ連立政権、97年4月に発足したグジュラル連立政権でも継続されており、潜在的に大きなインド市場は新たな投資先として国際的にますます関心を呼んでいる。しかしながら、国内外の民間企業の経済活動に係る法制度の整備と並んで、インフラストラクチャーを整備しての投資環境を更に整備する必要性は一層高まっており、インド経済発展の潜在能力を開花させるためにも、円借款などの公的資金による継続的な支援が今後も必要である。


対インド円借款承諾額累計の部門別構成(今次円借款を含む)
(合計142件、1兆6,302億4,800万円)

(単位:百万円)
 1993199419951996199793-97計比率
電力・ガス68,243 (3)82,205 (6)17,685 (2)52,796 (5)75,595 (4)296,52446
運輸21,397 (2)10,663 (2)7,046 (1)25,439 (2)7,003 (1)71,54811
社会的
サービス
 25,678 (3)42,234 (3)11,997 (1) 79,90912
農林・
水産業
 4,219 (1)15,760 (1)29,292 (2)12,367 (3)61,63810
灌漑・
治水・干拓
  16,049 (1)13,222 (1)7,760 (1)37,0316
鉱工業30,000 (1)3,000 (1)30,000 (1) 30,000 (1)93,00015
総計119,640 (6)125,765 (13)128,774 (9)132,746 (11)132,725 (10)639,650100

借款金額及び条件

 金額
(百万円)
金利
(%)
償還期間(年)
(うち据置)
調達条件
シマドリ・バイザック送電線建設事業10,6292.330(10)一般アンタイド
スリサイラム左岸揚水発電所建設事業(III)14,4992.330(10)一般アンタイド
ダウリガンガ水力発電所建設事業(II)16,3162.330(10)一般アンタイド
バクレシュワール火力発電所建設事業(II)34,1512.330(10)一般アンタイド
ツチコリン港浚渫事業7,0032.330(10)一般アンタイド
パンジャブ州植林開発事業6,1932.1*30(10)一般アンタイド
マディヤ・プラデシュ州養蚕事業2,2122.330(10)一般アンタイド
マニプール州養蚕事業3,9622.330(10)一般アンタイド
レンガリ灌漑事業7,7602.330(10)一般アンタイド
小企業育成事業(VI)30,0002.330(10)一般アンタイド
合計10件132,725   

*環境特別金利

2. 事業概要

(1)シマドリ

・バイザック送電線建設事業
Simhadri and Vizag Transmission System Project

アンドラ・プラデシュ(AP)州は、面積で国内4番目、人口で5番目に大きいインド南部の主要州である。全人口の7割が農業に従事するAP州では、近年農業向け電力需要の伸びが大きくなっており(92-95年度の売電金額に占める農業部門のシェアは約4割、全国平均は約3割)、このため工業部門向けの電力供給不足が同州経済発展のボトルネックとなっている。その為、現時点での電源開発計画が全て予定通り進むと仮定しても、2002年度末時点ではピーク時に6.6%の電力不足が発生する見込みである。
このような状況に対応するため、1996年度は円借款案件であるシマドリ火力発電所(500MW×2)、及び民活案件であるバイザック火力発電所(520MW×2)の建設が計画されているが、本事業は両発電所から供給される電力の有効活用、及び前述の電力需要を満たすAP州内基幹送電網の整備を実施するものであり、両発電所建設案件の実施を間接的に支援することで、同州の電力供給能力の向上を目指すものである。本事業により、州内送電網の安定性及び信頼性の向上、産業活性化及びこれに伴う雇用拡大、家庭電気普及等の効果が期待されている。
借款資金は、送電線〔400kv: 総亘長140km(2区間)〕、変電設備(Vizag変電所:400kv開閉設備のみ)建設に必要な資機材の調達費用、土木工事費用、コンサルティング・サービス費用(入札書類の作成補助、施工監理等)に充当される。
本事業実施者は、アンドラ・プラデッシュ州電力庁(APSEB: Andhra Pradesh State Electricity Board、住所:VidyutSoudha, Khainatabad, Hyderabad - 500 049, India、TEL 91-40-3396000,FAX 91-40-3313791)である。

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(2)スリサイラ

ム左岸揚水発電所建設事業(III)
Srisailam Left Bank Power Station Project(III)

インド南東部に位置するアンドラ・プラデシュ州は豊富な水力資源と石炭に恵まれながら、電力供給能力はピーク需要の約8割にとどまっており、電力供給量が不足している。
本事業は、アンドラ・プラデシュ州におけるこうした電力事情を改善するため、現在十分に活用されていないクリシュナ河スリサイラム地点での河川流量を有効利用して、既存ダム〔スリサイラム貯水池(有効貯水容量:69億m³)を上池とし、ナガルジュナサガール貯水池(有効貯水容量:55億m³)を下池とする〕を利用した揚水発電所(165MW×6基)(注)を建設するものである。
本事業により電力供給能力の拡大を図って、それにともなう産業活性化、雇用拡大、家庭電化普及による生活改善、現在実施中の電力供給制限(ピーク時)の緩和といった効果が期待されている。
借款資金は、発電所設備調達費用、土木工事費用及びコンサルティング・サービス費用(設計補助、入札書類のレビュー、施工監理等)等に充当される。なお、本事業については、1987年度に第1期分(26,101百万円)、1994年度に第2期分(22,567百万円)を供与済である。
事業実施者は、アンドラ・プラデシュ州電力庁(Andhra Pradesh State Electricity Board(APSEB)、住所: VidyutSoudha, Khainatabad, Hyderabad - 500 049, India, TEL 91-

40-3396000、FAX 91-40-3313791)である。

(注)揚水発電所とは、軽負荷時の余剰電力を利用して下部池の水を上部池に揚水し、重負荷時に上部池に貯水を利用して発電する方式をいう。

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(3)ダウリガンガ

水力発電所建設事業(II)
Dhauliganga Hydroelectric Power Plant Construction Project(II)

本事業が位置するインド北部地域の電力供給能力はピーク需要の7割、実際の電力供給量は需要の9割にとどまっている。特にピーク時電力不足は深刻な状況で、現在の電力需給予測によると、ピーク時電力不足は2002年度まで約28%〜30%の間で推移するものと予想されている。
本事業はこうしたインド北部地域の電力事情を改善するため、ネパール国境の近くのウッタルプラデシュ州ピトラガル地区のダウリガンガ川において、総設備出力280MW(70MW×4)の流れ込み式発電所(注)(形式:地下式、総落差:311m、発電設備:幅16.5m×長さ103m×高さ38m、変電設備:幅:14m×長さ85m×高さ24m)を建設するものである。インド全土の火力発電所に偏った電源構成を是正することも本事業の目的であり、第8次5ヶ年計画にも含まれた事業として本事業の必要性は極めて高い。
本事業により、インド北部地域における電力需給状況の改善、電力供給の安定化による生活水準の改善、産業の活性化、雇用の創出、包蔵水力の開発による化石燃料依存からの脱却といった効果が期待される。
借款資金はダム、発電所設備建設に係る資機材調達費用、土木工事費用及びコンサルティング・サービス費用(詳細設計レビュー、入札書類作成・入札補助等)等に充当される。なお、本事業については、1995年度に第1期分として5,665百万円を供与している。
事業実施者は、国営水力発電公社(National Hydroelectric Power Corporation Ltd.、住所: NHPC OfficeComplex, Sector-33, Faridabad, Haryana-121 003, India, TEL 91-129-275920、FAX91-129-278020)である。

(注)流れ込み式発電所とは河川の自然流量をそのままの形で利用する発電所で、貯水池や調整池を持たない水路式発電所のことをいう。

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(4)バクレシュワー

ル火力発電所建設事業(II)
Bakreswar Thermal Power Station Project(II)

インド西ベンガル州ではピーク時の電力需要は1996年度時点で3,229MWであるが、現状では2,398MWしか供給できていないため(26%の不足)、恒常的な電力不足に陥っている。
本事業は、こうした状況を改善すべく、西ベンガル州市北西約230kmのビルブム地方ムタベリア村に、近隣の炭田で生産される国内炭を燃料とする出力420MW(210×2基)の石炭火力発電所を建設し、同時に関連する送・変電設備(送電線:計460km、変電所・変電設備:5ヵ所)も建設して、同州の電力不足の改善を図るものである。なお、環境への配慮として、本事業では硫黄分の少ない国内炭を燃料として使用する一方で、石炭性状の将来的な変化に備えて、適切な環境モニタリングの実施を継続的に行うこととしている。
借款資金は、発電所及び送・変電設備建設に係る資機材調達費用及び土木工事費用、コンサルティング・サービス費用(入札書類のレビュー、施工監理等)等に充当される。なお、本事業の第1期分として1994年1月「バクレシュワール火力発電所建設事業」(27,069百万円)、また、同発電所3号機増設事業の第1期分として1995年2月「バクレシュワール火力発電所3号機増設事業(I)(8,659百万円)を既にそれぞれ供与している。
事業実施者は、西ベンガル電源開発公社(The West Bengal Power Development Corporation Ltd.、住所: NewSecretariat Buildings, 'B' Block, 6th Floor, 1, Kiron Shankar Roy Road, Calcutta-700001, India、TEL 91-33-248-6459、FAX 91-33-210-3991)である。

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(5)ツチコリン

港浚渫事業
Tuticorin Port Dredging Project

インドにおける11主要港(Major Port)の取扱貨物量は1980年度の80.3万トンから1995年度には215.3百万トンと2.7倍になっており、1993年度以来主要港全体の施設容量を超過している。このうちコンテナ取扱量は1984年度の3.3百万トンから1994年度の15.4百万トンと4.7倍となるなど急激な伸びを示しており、将来的にも需要はますます高まることが予想されている。
インド南部タミールナド州南部のツチコリンにあるツチコリン港は、水深が利用船舶の吃水(注)よりも浅いため、全ての貨物につき積載量を制限して運航せざるを得ない状況となっている。さらに、ツチコリン港の利用船舶は1979年度の2.4百万トンから1996年度の9.2百万トンへと約4倍に増加しており、既に船舶利用限度の5.5百万トンを大幅に超過していることから、利用船舶数の過多、コンテナ取扱量の伸び悩み等の問題に直面している。
本事業は、こうしたツチコリン港の現状を改善すべく、港湾への航路及び港湾内部を浚渫することにより(港湾内部:泊地浚渫土量122万m3、回頭泊地直径688m(現行488m)航路:浚渫土量58万m3、浚渫航路延長2.7km(現行1.4メートル)、設計水深12.5m(現行10.2m〜11.4m)、吃水制限を緩和して、港湾利用船舶数を減少させ、港湾運営を効率化させることを目的としている。
本事業により、大型船舶がツチコリン港に直接寄港することとなり、待機日数の削減、寄港回数の削減による港の運営効率化、、ツチコリン港後背地の産業活性化などの効果が期待される。
借款資金は、浚渫工事、埋立地護岸、環境対策等の費用に充当される。
事業実施者は、ツチコリン港湾公社(Tuticorin Port Trust (TPT)、住所: Tuticorin - 628 004, India, TEL91-461-52290、FAX 91-461-52301)である。

(注)吃水とは、水面から船底までの長さを指す

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(6)パンジャブ

州植林開発事業
Punjab Afforestation Project

インド北部に位置するパンジャブ州では人口増加に伴う食糧確保を目的とした森林の農地への転用、燃料・飼料確保を目的とした森林伐採等により森林が減少し続けている。特に、州北部の州境沿いのシワリクと呼ばれる400メートルから700メートル級の丘陵地帯では、殆どの土壌は砂地で植生はまばらである。ホシアールプール、ロパール、ガルダスプールの地区を結ぶこの丘陵地域は、カンジー地区とも呼ばれ、州全体の面積の約9%を占めており、パンジャブ州でも最も森林荒廃が進んだ地域である。カンジー地区は勾配の急な地区にあるため、農作業には適しておらず、地域住民には貧困層が多い。一方、州の平野部では地下水の過度のくみ上げによる土壌への塩類集積、窪地の冠水による土地の荒廃化が進み、農作業等に支障をきたす状況が生じている。窪地の冠水は半年にもおよび公衆衛生上も問題となっている。
本事業は同州のこうした状況を改善するため、適切な土壌改善策を用いるとともに、同州全域を対象に地域住民参加型の植林(丘陵部:天然林改良25,000ha,等高線植林2,500ha,竹林の造成改良2,000ha、牧草地造成1,800ha、平野部:塩性・アルカリ性土壌への植林5,000ha,冠水地への植林2,450ha,土壌流失による侵食地への植林20,000ha)を実施するものである。この結果、土壌の治水能力の向上、洪水などによる土地の侵食を防ぐことが可能になると同時に、本来女性の仕事となっている燃料用の薪集めを計画的に行うことができるため、女性の家事労働削減なども副次的効果として期待される。借款資金は植林活動、土壌・保全事業、森林保護事業、研究・普及・トレーニング、資機材等の調達資金に充当される。
事業実施者は、パンジャブ州森林野生生物局(Department of the Forests & Wildlife, the State Governmentof Punjab、住所: 17 Bays Building, Sector 17-D, Chandigarh-160 017, India、TEL 91-172-701325、FAX 91-172-701325 )である。

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(7)マディヤ

・プラデシュ州養蚕事業
Madhya Pradesh Sericulture Project

近年、インド政府は雇用創出・貧困緩和に寄与する農村家内工業として養蚕に注目しており、その生産増大や質の向上のために、世銀を始め外国からの援助も数多く受け入れている。特に、マディヤ・プラデシュ州は、貧困ライン以下の人口が全体の43%を占め、労働力を吸収する産業がほとんどないことから、指定カースト、指定部族をはじめとする、貧困層の自立が可能となるような雇用機会を創出する必要性は高い。中でも養蚕業は、小額の投資により他の農業活動に比べ比較的高い収入が得られることから貧困緩和に最適な産業であり、また細やかな作業が中心となるため、特に女性に適した産業である。また、インドは近年の経済成長により国内絹需要が拡大しており、国内でも生糸生産の量的拡大が必要とされている。
本事業は国内需要に対処するため、タサール蚕(在来種の野蚕)の生産が同州内で最も盛んであるビラスプール地区、ライガル地区、スルグジャ地区の3地区において、タサール蚕の品質向上と生産拡大(タサール蚕飼料木植林4,000ha,養蚕インフラ施設建設等)を進めて、雇用機会を創出し、貧困層の所得水準を向上させることを目的としている。
借款資金は、植林、養蚕施設の建設費用、資機材の調達費用、及びコンサルティング・サービス費用(全体事業計画の見直し、詳細設計、社会配慮支援等)に充当される。本事業では農民の啓発、技術指導、並びに意見聴取等のため、NGOとの連携も積極的に行う計画となっている。
なお、本事業に関して、OECFは案件形成促進調査(SAPROF)を1996年度に実施しており、案件形成の初期段階から支援を行っている。
事業実施機関は、マディヤ・プラデシュ州養蚕局(Directorate of Sericulture, the State Government of MadhyaPradesh、住所: Saptura Bhavan, Bhopal-462004, India、TEL 91-0755-552118、FAX 91-0755-550748)である。

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(8)マニプール

州養蚕事業
Manipur Sericulture Project

マニプール州は、貧困ライン以下の人口が全体の47%である貧困州で、産業的には第一次産業が総生産の45%を占める農業州である。農業以外にほとんどめぼしい産業はなく、失業者数は25.4万人と州の労働人口の26%にも上っている。貧困層は主に山岳地帯の住民で、焼き畑や薪の生産などに従事しているが、山岳地帯における貧困軽減には低所得者の生活基盤を多様化させることが不可欠である。同州はインドの東端に位置し、他の地域との交通手段も限られており農業・工業の発展には限界があることから、指定カースト、指定部族を始めとする貧困層の自立が可能となるような雇用機会を創出する必要性は極めて高い。また、インドは近年の経済成長により国内絹需要が拡大しており、国内でも生糸生産の量的拡大が必要とされている。
本事業は、国内需要に対処するため、養蚕が古くから行われている貧困州のマニプール州において、マルベリー養蚕の品質向上と生産拡大(マルベリー桑植付け2,720ha、養蚕インフラ施設建設等)を図ることにより雇用機会を創出し、貧困層の生活水準の向上を図ることを目的としている。
借款資金は、植林、養蚕施設の建設費用、資機材の調達費用、並びにコンサルティング・サービス費用(全体事業計画の見直し、詳細設計、社会配慮支援等)等に充当される。本事業においても(7)の事業と同様、NGOとの積極的な連携が図られている。また、インド側の案件形成を支援するため、案件形成促進調査(SAPROF)を1996年度に実施している。
事業実施機関は、マニプール州養蚕局(Department of Sericulture, the State Government of Manipur、住所:Lamphelphat, Imphal-795004, India、TEL 91-0385-310369、FAX 91-0385-222629)である。

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(9)レンガリ

灌漑事業
Rengali Irrigation Project

オリッサ州では州内所得の約44%を農業生産が占めていて、就業人口の約75%が農業に従事しているが、農業生産性はインド全体に比べて低く、同州の一人当たりの収入はビハール州、ジャンム・カシミール州に続いて3番目に低いものとなっている。農業生産性が低い大きな理由として、同州の雨量が雨季(6〜10月)に集中しているため、ダム・水路等の灌漑施設による乾季の水の有効利用が不可欠であるにもかかわらず、同州の灌漑率は30%に過ぎない点が指摘されている。従って、農業生産を拡大し農民の所得を向上させるためには、水を効率的に利用するために灌漑施設の整備を進めることが不可欠である。
本事業は、ブラマニ川にあるレンガリ多目的ダム(1985年完成)で発電に使用した水をさらに34km下流のサマル取水堰(1994年完成)から取水して灌漑に利用するものである。
本地域には、ブラマニ川の左岸及び右岸水路の建設が計画されており、本事業はそのうち左岸水路30km−70km地点まで 約27,000haを灌漑し、周辺地域の農業生産の増大と農民の生活向上を目指すものである。(取水堰から0〜30km部分は世銀の支援により建設中である。)
借款資金は、水路ランニング、構造物建設に係る機材調達費用、土木工事費用並びにコンサルテイング・サービス費用(事業管理、計画策定・設計、調達補助、施工管理、維持管理システム確立、営農支援・圃場整備・R&R(注)・環境対策実施、技術指導・訓練等)等に充当される。
事業実施者は、オリッサ州水資源局(Department of Water Resources, Government of Orrisa、住所: SechaSadan , Bhubaneswar-751001 ,India、TEL 91-0674-400180、FAX 91-0674-410386)である。

(注)
営農支援:農民指導のための施設整備、水管理・農業経営に関するデモンストレーション
圃場整備:水路・排水路建設支援、整地支援、技術指導
R&R :住民移転支援並びに経済自立支援

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(10)小企業育成

事業(VI)
Small Scale Industries Development Program

インドでは小企業の活動が極めて活発であり、雇用、生産、輸出において重要な役割を果たしている。本事業では、インド政府が優先的に育成を図っている小規模近代化産業(設備・機械等の固定資産への投資額が600万ルピー以下、但し下請け企業、生産開始後3年目以降、輸出比率が30%を越えている企業に対しては750万ルピー以下)の企業を対象としている。
本事業は、小企業部門の抱える問題の一つである資金不足に対応するため、長期設備資金への資金協力を行うことにより、同部門の発展を図るものである。
借款資金は、インド小企業開発銀行(SIDBI)の小企業近代化産業向け融資資金に充当される。
事業実施者は、インド小企業開発銀行(SIDBI: Small Scale Industries Development Bank of India: NarimanBhawan,227, Vinay K. Shah Marg, nariman Point, Mumbai-400 021, India、 TEL 91-22-2851789、FAX91-22-2044448)である。

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