ベトナムSARSの調査で活動の医師2名が帰国

「感染予防などで協力の意義大きい」と報告

2003年03月31日

国際協力事業団(JICA)が派遣する国際緊急援助隊の専門家チームとして、原因不明の重症肺炎(「重症急性呼吸器症候群」=SARS)の調査と感染対策のためにベトナムに派遣されていた川名明彦さんと照屋勝治さん(ともに国立国際医療センター医師)が25日に帰国した。現地では、ベトナム政府や世界保健機関(WHO)との協議などを通じ患者発生状況の調査に協力するとともに、感染拡大防止のための措置などを指導した。なお、川名さんらの派遣に合わせ、マスク、ガウンなどの感染対策用品と重症患者治療に必要な人工呼吸器なども緊急に供与された。

今月16日にハノイ入りした川名さんらは、ベトナム政府やWHOと対策を協議するかたわら、感染者に関するデータを収集。これらの情報をもとに、感染が広がることを防ぐための活動指針などをまとめた「緊急報告」を作成し、早い段階で日本側の対応体制の強化について警鐘を鳴らした。一方で、実際に患者の治療にあたった医師から症例の報告を受け、今後、医療関係者への感染の拡大を防ぐための計画などをまとめて帰国した。
川名さんは「今回のケースでは、病原体が見つかっても治療薬がない可能性があり、今後の支援は対症療法と感染予防が中心となるだろう。日本への拡散を防ぐためにも、今後の協力継続の意義は大きい」と話している。
JICAはSARSの対症療法および感染対策に関する助言・指導を引き続き行うために、川名さんと照屋さんに替わる医師らを第二陣として26日から派遣している。