ベトナムSARS対策で国際緊急援助隊が帰国報告会

「SARS封じ込めをベトナムでは成功。今後も引き続き注意を」

2003年04月14日

原因不明の重症肺炎(「重症急性呼吸器症候群」=SARS)の対症療法と感染拡大防止に対する助言・指導のため、ベトナムに派遣されていた国際緊急援助隊の専門家チームが4月1日までに全員帰国、8日、JICA本部で報告会が行われた。派遣されていた医師らは「ベトナムではSARS封じ込めに成功したといえるだろう。ただし、今後も注意と警戒体制の継続が必要だ」と述べた。

派遣されていたのは、第1陣(3月16日〜25日)が川名明彦さんと照屋勝治さん(ともに国立国際医療センター医師)、第2陣(3月26日〜4月1日)が小原博さん(国立国際医療センター医師)と三井孝次さん(外務省経済協力局国際緊急援助室)で、JICA国際緊急援助隊事務局の山下望職員が第1、2陣を通じて現地での活動調整に当たった。
報告会には外務省、厚生労働省の関係者、JICAの関係部署職員ら約30人が出席。派遣されたメンバーが一人ずつ、現地の状況や活動内容について報告した。

照屋医師は、「インフルエンザか肺炎かもわからない、ほとんど何も情報がない状態で出向いた」と派遣が決まった当時の心情を語った。また、川名医師は「ベトナムは当初、SARS感染者が一番多かった。その後SARSは世界中に拡大していった反面、ベトナムではほとんど増えていない。これは、日本政府の迅速な対応と緊急援助隊の効果的な活動の結果といえるのではないか」との見方を述べた。

また、小原医師は「バックマイ病院で、SARS患者による院内感染が発生していないのは、これまで3年間実施されてきたJICAの技術協力プロジェクトの成果を土台に、緊急援助隊のタイムリーな派遣が効果を上げた結果だろう。現在もバックマイ病院には5人のJICA専門家が派遣されているため、チームの提言やアドバイスを引き続き現場レベルで徹底させていくことが大切だ」とコメントした。